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3.2 カンボジア王国

3.2.1 航空行政

現在、総理府の直轄にある民間航空庁(State Secretariat of Civil Aviation:SSCA)が航空行政を所掌している。SSCAは、管理運営を中心に、計画の策定、政策の立案及び航空管制等の実施を行う機関であるが、空港の施設計画、建設(インフラ整備)に関しては、1993年以降、公共事業運輸省(Ministry of Public Works and Transport:MPWT)の空港建設局が所掌している。また、主要空港の運営は、民間資本を導入した公団組織が行っている。SSCAが管理する地方空港は、現在8空港あるが、2005年にはすべて空港公団に管理運営を移管する予定になっている。

SSCAへの収入は、上空通過料によるものが大部分で、ポシェントン国際空港(プノンペン)の発着に係る国際線による収入は、現在、同空港の運営会社(BOTによる空港公団)の収入としている。

 

3.2.2 航空輸送システム

(1) 航空輸送システム

民間空港としては、国際空港が2、国内空港が8の計10空港ある。その内、定期便が就航しているのは8空港であり、2空港に関しては閉鎖中である。ポシェントン(プノンペン)国際空港は、国の中心空港として、バンコク、ホーチミン、ビエンチャン等周辺国の主要都市とを結ぶ路線があり、B737クラスの航空機が就航している。また小型機の運航によって国内の地方空港とも結ばれている。北西部のトンレサップ湖畔にあるシムレアップ空港は、大型機が発着できる空港として改善整備され、観光客を中心としてバンコクとの間に路線がある。

航空会社は、ロイヤル・エア・カンボジア航空、プノンペン・エア航空等3航空会社が有り、カンボジア航空が中心であるものの、所有機材としてはATR72がある程度で、貧弱である。

航空保安施設・システムについては、長い内乱のためプノンペン、シムレアップ等一部の空港しか整備されておらず、航空路施設も貧弱で、現在レーダー管制施設は設置されていない。

 

(2) 航空輸送概況

航空交通量の統計値がきちんと整備されていないが、カンボジアを発着する国際交通量及び国内交通量は少ない状況にあると推定される。現在、ポシェントン空港で、発着回数は日当り50機、年2万回いかない*。一方、上空通過機数は相当数あると推定されるが、実際は上空空域に係る航空管制はタイが実施しており、SSCAは飛行情報提供業務が主である。上空通過機数は、現在、日当り35機(以上、全ての航空機)あり、将来的には増加が予想される。

我が国からカンボジアヘの直行便はなく、バンコク、ホーチミン、香港等から乗り継ぎ便を利用して、年間15,430人**(1999年)の日本人渡航者がある。

* 出典:ICAO航空輸送統計(1997年)

** 出典:出入国管理統計年報(平成11年版)

 

 

 

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