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第3章 航空輸送の概況

 

3.1 ベトナム国

3.1.1 航空行政

航空行政は、ベトナム民間航空局(Civil Aviaion Administration of VIETNUM:CAAV)が所掌しており、首相直属(Prime minister's Management)の下、運輸省(Ministry of Transport)とは別組織となっている。CAAVの本局は、計画及び空港・航空保安業務の統轄業務を実施する。航空保安業務部門はベトナム航空交通管理局(VIETNUM Air Traffic Management: VATM)と呼ばれ、下部機関として、北・中・南部航空保安業務局(Northern, Middle or Southern Region Air Traffic Services: NRATS, MRATS or SRATS)があって、空港及び航空路に係る航空保安業務を実施している。航空訓練センター(Civil Aviation Training Center of VIETNUM)はCAAVの下部組織となっている。

空港の運営、維持管理は、CAAVの監督下に3つの空港公団があり、北部空港公団(Northern Airport Authority: NAA、ハノイ・ノイバイ国際空港他)、中部空港公団(Middle Airport Authority:MAA・ダナン国際空港他)、南部空港公団(Southrn Airport Authority: SAA、ホーチミン・タンソンニャット国際空港他)が地域内の各空港を統括している。

 

3.1.2 航空輸送システム

(1) 航空輸送システム

ノイバイ国際空港(ハノイ)、タンソンニャット国際空港(ホーチミン)、ダナン国際空港等があり、その他国内空港は14港ある。航空会社は、国営のベトナム航空(VN)が国際、国内路線を持っている。他に国営航空会社としてパシフィック・エアラインが国内線を運航している。外国の乗り入れ航空会社(15社)と合わせ、国際線としてはバンコク、シンガポール、香港、大阪、東京(2000年11月から)等への路線がある。

国土中部の上空は、東南アジアと東アジアを結ぶ大動脈である航空路A1(将来は平行してA2を開設予定)、また北部上空には中国方面への航空路がある。南北を結ぶ国内航空路及び東方海上の洋上国際航空路等に関して主要な航空路施設は整備されている。

 

(2) 航空輸送概況

全国で年間約33,500機*(定期便出発機のみ、1997年)の交通量があり、国際線はその約4割である。日当たりでは、45機(国際線)及び100機(その他)程度であり、南北間の航空輸送量が多い。また、ハノイ空港の発着回数(国際・国内)は15,248機(1998年)、ホーチミン空港の発着回数(国際・国内)は30,354機(1998年)である。日当たりでは、ハノイ空港で60-70機(民間航空)及び200機(軍用航空及び軍用の訓練)ある。航空路では、北部のR474に日当たり30機程度、中部の航空路A1は日当たり100機以上の上空通過機があり近年交通量が増加している。ホーチミン航空管制センター(ATCC)では、450機/日程度の取り扱い機数がある。

国際線旅客は、全国で2,341千人、ハノイ空港549千人、ホーチミン空港1,714千人(以上、1998年)であり、国内線旅客は、全国で3,330千人、ハノイ空港1,029千人、ホーチミン空港1,279千人(以上、1998年)である。

我が国からは、日本航空がベトナム航空との共同運航で週2便(往復)で成田とホーチミンとの間に就航(2000年11月から)している。また、関西とホーチミン間には各々の会社で週8便が就航している。その他に香港からの乗り継ぎ等により、年間87,341人**(1999年)の日本人渡航者がある。

* 出典:ICAO航空輸送統計(1997年)

** 出典:出入国管理統計年報(平成12年版)

 

 

 

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