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次の特徴としては基本的には高架形式となっていますが景観を守るために一部都心部では地下になっております。また、1両編成当たり286人の定員となっております。これは普通の公共交通機関といっても言い過ぎではありません。これは自動運転できるようになっておりますが実際には運転手がおります。ただし、これは防犯・安全性の為です。また、建設費は1760億円かかっております。

次ぎに、LRT(Light Rail Transit)、新しい路面電車についてお話します。

LRTの特徴としましては、低床、高速、専用通行空間であること、主要交差点や中央駅では立体交差していること、他の交通機関との乗り換えが容易であること、空調等を有し高サービスであることなどが挙げられます。LRTのイメージを郊外から市街地までの通勤形態を例に挙げますとまず、郊外の自宅から最寄りのLRTの駅までパークアンドライド等を利用して行きます。それからLRTに乗って、市街地へ行きます。専用軌道を利用し、時速80kmの高速で移動できます。幹線道路や主要交差点は立体交差で対応できます。低床式であるので乗り降りが非常にスムーズであり、子供からお年寄りまで幅広く利用可能です。LRTはヨーロッパあるいは北米において広く利用されています。1978年のカナダのエドモントン、1980年のイギリスのニューキャッスルアポンタイン、1981年のアメリカのサンディゴをはじめ、以降毎年のように建設されており、現在でもいくつかのLRTが建設中の状況でありまして、今後も公共交通機関として非常に期待されている輸送機関であるということがいえます。

最後に、これまで紹介して参りました都市公共交通機関をプラットホームのアクセス、輸送能力、建設コストの面から比較してみて参ります。構造物の形式としては、一般部道路を走るバス、LRT、高架軌道を走るガイドウェイバス、新交通システム、モノレール、地下構造物であるリニア地下鉄に分けられます。プラットホームヘのアクセスは低床式であるバスやLRTが弱者に対する配慮がなされており良好であります。輸送能力の面においては、リニア地下鉄が40000人/時と一番多く、バスが5000人/時と最も少なく、その他は10000人/時〜20000人/時となっています。しかし、やはり建設費においてはリニア地下鉄が200〜300億円/kmと一番高く、次いでモノレールが100〜190億円/km、新交通システムが70〜120億円/km、ガイドウェイバスが30〜40億円/km、LRTが15〜20億円/kmとなっており、バスについては車両本体のみの費用になるため比較にならないが、LRTが1km当たりの建設費で比較すると一番低いものとなっています。

将来の交通機関はこの中から選択するわけでありますが、このLRTが世界中で注目を浴びております。地下鉄が高いということで新交通システムがまず注目されてきたわけですが、それでもまだ高いということでガイドウェイバスが今注目を浴びております。しかし、ごく最近ではこのLRTが特に注目されてきております。ところが日本ではまだこのガイドウェイバスというのを建設しておりますが、LRTというのは建設というよりはまだ現在研究中でございます。特にヨーロパでLRTというのは今発展しております。

 

5.4 報告3 小野正純、復建調査設計株式会杜、国際事業部、主任技師

発表テーマ The Study on Development of Public Transportation in Yangon

 

このような特別な場所において講演できることを大変有り難く思います。JTCAの研究チームを代表して、「ヤンゴン都市計画における公共輸送の発展についての研究」について発表したいと思います。この研究の現地調査は今年の6月に行われ、われわれはその際に多くの議論を公共輸送機関、特にバスや鉄道輸送の関係機関と行って参りました。また、われわれは公共輸送機関に関する貴重なデータを収集することができました。

午前中にYCDCのU Tun Than Tun氏からもすでに公共輸送に関しての発表がありましたが、私は公共輸送の発展を如何に計画し、マネジメントしていくかという点に重点をおき、発表したいと思います。

 

 

 

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