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そして次ぎにフランスのVALと呼ばれる新しい交通機関ですが、2両編成になっておりましてPRTというよりはかなりの乗客を運べる中量の輸送機関となっております。この時期になるとPRTではなく、AGT(Automated Guideway Transit)、自動運転するということに力点がおかれております。これはフランスで1971年にVALというものが開発されたわけでありますが、実現したのが1983年ですので実現までに10年以上の歳月がかかっております。その間、色々な交通機関が幅広く検討あるいは開発されるようになりました。

新しい交通システムの全体像ですが、ひとつは既存の交通機関を新しく使っていこう、新しい使い方をしていこうというシステム(New operation of exit.hard)があります。これは、だいたいバスの改善が中心となっております。この中のDemand activate busというのが最初に紹介しましたアメリカの報告書に出ておりますディマンドバスです。これは普通のバスにタクシーの機能を持たせたものです、このセントラルフローバスレーンというものは先ほどのU Tun Than Tun氏の説明にもありました名古屋の基幹バスで道路の中心部を走るバスです。今日はこのバスについてではなく、新しい交通機関について詳しくご説明申し上げます。今までお話ししましたPRT、PRTが大きくなって大量の人を運ぶようになった新しい交通機関Automated Guideway Transitが新しい交通機関の中心になっております。それからモノレール、リニアモーターレールというものがあります。リニアモーターレールについてはあとでもう少し詳しく説明申し上げます。また、Magnetically levitated trainというのは磁気浮上式の新しい交通機関です。Light rail transitというのは先ほどご紹介ありましたような新しい路面電車の使い方です。もうひとつ重要なものでここにGuideway bus systemというものがあります。

ここでもう少し、AGT(Automated Gnideway Transit)についてご説明申し上げます。当初は個人交通機関と公共交通機関の両方の利点を有した交通機関の開発を目指しておりましたが、その方向がやはり大量に人を輸送するという点に力点がおかれております。したがって、TransportationというかわりにNew Transit Systemというように呼ばれてきております。特徴としましては次のようなことが挙げられます。最適な長さというのは5〜10kmでフィーダーサービス(Feeder service)を中心にしたものです。そして輸送能力は、10000人〜20000人で中量輸送です。構造は高架のガイドウェイで自動運転です。1車両が20人から60人乗りでバスより少し小さい位くらいの大きさになっています。車輪はゴムタイヤで騒音が少ないというのも特徴です。そしてスピードは時速20〜40kmでそれほど速くはありません。そして最後に最も重要なことで地下鉄に比べて建設費が3分の1位で済むといわれていることです。モノレールにはAlwegタイプとSaffageの2つのタイプがあります。特徴としては先ほどのAGTと似たような特徴を有しています。

次ぎに日本でのAGTの発展の状況を紹介致します。すでにだいたい大都市や大都市の周辺にAGTが実現しております。一番多いのが東京、そして大阪周辺です。広島にもひとつできております。日本においても新しい交通機関の開発に努力してきましたが、最初に新しい交通機関ができたのが、1981年の神戸と大阪です。広島では1994年に実現したものです。広島においてはこれまで山地部では住宅地の開発が不可能であるため、三角のデルタ地帯を中心にこれまで発展してきました。1970年代に入って市街化が谷間の方へ進行していき、北部の新しい住宅開発地から都市部への交通混雑が始まりました。JR鉄道と路面電車がありましたが、ここでこの北部からの通勤客を運ぶために、新しい交通システムをつくって内部は地下鉄にする案と新交通システムの2つの案のどちらが良いかかなり議論してきました。その結果、地下鉄案はかなり建設費が高いということで新交通システムを作る案に決定いたしました。そしてこの都心部からアジア大会が開かれたところまでが最初につくられました。今これを広島駅まで延伸する計画がなされています。広島の新交通システムの特徴としましては、Service Lengthが18.4kmと日本の新交通システムとしては1番長いものとなっております。

 

 

 

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