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3.3 ナホトカ号

 

3.3.1 事故概要

1996年12月、上海を出航したロシアのタンカー「ナホトカ(Nakhodka)」は、29日、中国最大の重油基地舟山で発電用C重油19,000klを積み込んで日本海を北上した。97年1月2日未明、日本海は大時化で、ナホトカ号は島根県隠岐島の北北東約106kmの海上をロシアのカムチャツカ州ペトロパブロフスク・カムチャツキーに向けて航行していた。

午前2時、乗組員の話によれば、風速20〜22m/sec、波高6m、速力3.5kt、針路は北で異常はなかったという。2時40分、突然船体が左右に大きく振られ、船首部右舷に波の直撃を受けた。激しい衝撃とともに2番右舷タンクから黒い水柱が上がり、その左舷側で閃光が走った。その瞬間、重油を積んだタンクが破断して船首部が失われたことがわかった。非常警報、全員甲板集合警報が発せられた。その後、ナホトカ号の推測位置が自動遭難信号発信装置に読み込まれSOS発信ボタンが押され、VHF国際電話遭難信号を発信し始めた。

 

 

 

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