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3.2.2 大型舶用ディーゼルエンジンのばいじん粒子調査

大型舶用ディーゼルエンジンにおいてC重油が燃焼した時の排ガス中のばいじん粒子径分布が不明のままでは対象とするスクラバーの性能を検討することは出来ない。そこで、本研究の単筒実験機関でC重油燃焼時の排ガスのばいじん粒度分布を計測した結果を図3.2.2に示す。*3

 

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図3.2.2 C重油燃焼時のばいじん粒子径分布

 

この測定結果よりC重油の排ガスを構成するばいじんは2μm以下が概略45%であり、形成されるシリンダ油膜厚さや摺動面粗さ(2μm)を考慮すると除去すべき有害ばいじん径は2μm以上と考える。このため、 ばいじん除去効率としては50%以を目標とする。

 

3.2.3 スクラバーの原理とばいじん除去効率試算及び試験用スクラバー試作

今回試作したスクラバーの基本構成を図3.2.3に示す。スクラバー入口部に流入する高温の排ガスに対し一次ノズルで冷却水を噴射しプレクーリングと簡易脱硫を行う。せき板部分の水シールを経て、充填層である折れ板型のエレメント内に流入する。この屈曲した壁に粒子が慣性衝突することでばいじんが付着除去される。また二次ノズルからの洗浄水がエレメントの表面を常時流れており、残存のSOxが吸収される。こうして浄化された排ガスは出口にあるデミスターで水滴を落とし下流側に清浄ガスを供給するのがスクラバーの作用である。

このスクラバーのIGSシステムにおける実績はSOx除去効率90%以上、ボイラー(数百μm)の場合、ばいじん除去効率は90%以上と言われている。

 

 

 

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