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表2.2.12 アンケート調査表の依頼回答状況

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2.2.7 問題点の整理

NOxテクニカルコード等の実運用に関する主な問題点は次の通りである。

(1) 書類に関する問題点等

1) テクニカルファイル更新時の対応:パラメータの変更や図面の更新や改正があった場合のNOx排出率との照合方法や、親エンジンの変更がある場合の対応等の記載が不充分である。

2) パラメータチェックリスト:エンジンパラメータチェックリストおよび記録簿の各項目についての承認およびテクニカルファイルとの照合が必要である。

 

(2) 検査に関する問題点等

1) エンジンパラメータチェック法:船上検査としてエンジンパラメータチェック法を採用した場合、NOx関連部品の適合性の初期確認をいつ実施したらよいかが明確でない。ID刻印場所は汚損や開放整備要領等を充分に考慮した上で決定する必要がある。

2) 簡易船上計測法:時間的な制約、海域の設定、計測員の手配、当日の気象等に大きく左右され、排出率計算に即時性が要求されるため、充分な準備と慣れが必要となる。また、再計測実施を行うことは現実的には極めて困難と思われるため、排出率が規制値を超過した場合の対応策を考えておく必要がある。

 

(3) 測定に関する問題点等

1) 計測器の校正:校正間隔は非常に短いと思われる。再検討が必要である。

2) 計測器の要求仕様:簡易船上計測で使用出来る可搬性のある測定器の機種が少ない。

 

(4) 運用に関する問題点等

1) パラメータ変更時の対応について:パラメータの変更があった場合の具体的な取扱いについて明記されていない。パラメータの変更は、少なからぬ頻度で発生すると考えられるが、変更に至る経緯により、事前に取り得る手段が異なってくるためより具体的な指針が必要である。

2) 既存船への第13規則の適用について:解決が困難な以下の問題点があることから、テクニカルコードに規定された既存船への適用については、これを削除するか、または実現可能とするための大幅な見直しを提案したい。

a. 実質的改造があるか否かの調査を定期的に実施する必要があると考えられるが、このためには既存船全船について、使用部品等のリストアップを行い、定期的な照合作業が必要になる。これは極めて非現実的な作業である。

 

 

 

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