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欧州の実態を調査し、国際間の統一認識を確立することの必要性を感じた。また、本規制の円滑なる運用を目指す本研究部会の目的、意義の重要さを強く再確認した。

 

(2) 船級協会との意見交換会

第13規則は、2000年1月1日以後に建造されたディーゼルエンジンに遡及適用されることになっていることから、希望する船主に対しこれらのエンジン(船舶)の検査立会や鑑定書の発行等の実務が船級協会により為されている。そこで世界を代表する4つの船級協会を招き、第13規則に関る鑑定書の発行等の現実的な問題をテーマとした意見交換会を開催した。(参加者:26名、うち船級協会 6名)

各船級協会とも、約300〜900台のエンジンについて鑑定業務を実施しており、その殆どが予備検査に相当するものである。この段階では、少数の例を除きほぼ問題なく鑑定業務が行われている。また代行権限については、各船級協会はそれぞれ13から33ヶ国の主管庁からその権限を与えられている。

発効時への対応としては、予備検査に相当する鑑定書は取得しておいたほう良いというのが共通の見解であるが、初回検査に相当する検査については、附属書VIが未発効であることや、発効時に改めて要求されるとの見方が強く、現時点では必要ないであろうとしている。附属書VIが発効していないので、NOx排出規制に関する詳細については、発効時の各諸官庁の意向に委ねることとなる。

なお、発効前であってもNOx排出率に影響を及ぼすパラメータに変更があった場合はその履歴を正確に記録、保管しておくことが大切であるとの助言を受けた。

IMOによるNOx排出規制に関する問題について、関係する業種、特に複数の船級協会を交えて意見交換する機会はこれまで無かった。この意見交換会を通し、共通の理解あるいは相違点を確認することができた。

 

(3) IMO NOx規制に関するアンケート調査

NOxテクニカルコード等を実運用する際に発生することが予想される問題点を幅広く抽出するために、アンケート調査を実施した。(表2.2.11)

なお、附属書VIには触れられていないが、今後予想される問題として、既存船へのNOx規制の導入、NOx規制とCO2の規制との関係および地域的な排気ガス規制に関する設問を設けた。

調査の結果、NOx規制への適合認証を得るための方法(試験台試験、エンジンパラメータチェック法、簡易船上計測法、船上直接計測および監視)の具体的な手順を中心に多くの問題点が指摘された。

またアンケートの結果、次の項目に関し業種間で意見が一致していないことが判明した。附属書VIおよびNOxテクニカルコードの円滑な実運用を行うためには、特にこれらの項目に関し今後の調整が必要と考える。

1) テクニカルファイルの統一

2) 試験台でのNOx 計測手順

3) エンジンパラメータチェック法

4) エンジンメーカ以外の部品の使用

 

 

 

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