→ エンジンのメンテナンス費用
⇒ 日本製エンジンのメンテナンス費用が競合エンジンより安価であることを、シュミレーシェン等で合理的に明示(ライフサイクルコスト)できれば顧客のエンジンの採択に対して大きな影響を与えるであろう。
3.1.4.2 日豪協力の評価及び今後の方向性
造船・舶用分野では、あまり例のない国際協力(日豪間)プロジェクトを1年間実施しての評価と今後の方向性は、以下のようにまとめられる。
◇オーストラリア側は、国内に有力なエンジンメーカーが存在していないことから、所要の性能を満たすことが出来、国際的に見て競争力のある価格を提示できるエンジンメーカーであれば、どこの国のメーカーとも協力する素地がある。今回のプロジェクトを通じて、技術的にもオーストラリア製高速船に日本の高速エンジンを搭載するのに制約がなく、アセアンフェリーとして実現が可能であることが判明した。
◇一方、国際協力に伴う諸問題(企業文化の相違、営業手法の違い等)については、他の分野における第三国協力事業等の実施報告から発生が予想されたため、充分な打ち合わせ・準備等を行った。しかし、調整、相互の理解を得るのに一定の時間を要し、本プロジェクトの進行に影響を与える結果となった。特に営業手法の違いでは、豪州側が欧米並の営業、サービスを要求し、日本側は、日本の造船所並の責任分担を求めため、調整に時間を要すとともに、一部(バイヤーズクレジット等)については、見切り発車状態となってしまい、大きな影響要因となった。