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通常のガスタービンに比べ、WR-21は燃費が低く(200g/kWh)、モジュール化により保守整備が容易であるほか、Rolls-Royceで使用している超低排ガスシステム(ultra-low emission systems)の追加導入が容易である。同ガスタービンの推進システムは、他のガスタービンのシステムとほぼ同じ大きさで、高レベルの信頼性、有用性及び部品寿命を提供する。

Marine Speyガスタービンは軍用及び民間航空機用エンジンのTF41/Speyをベースとしたものであるが、低振動で、重量が同出力中速ディーゼルエンジンの20%、体積が40%である。

また、10MW以下のガスタービンとして、AllisonのA601、A501やEurodyneを提供している。

 

●参考

−Rolls-Royce訪問(2000年7月)時の聴取内容−

Trent(50MW)は船舶搭載の実績はない。Fast Shipに搭載予定。

WR21(25MW)は製品としての供給実績なし。WR21は、1]ICR(Inter-cooled and recuperated、冷却再生)システムが採用されており、効率がよい、2]部分負荷でも効率があまり低下しない特徴があり、英国、フランス、日本、米国等の海軍が強い関心を示している。2000年7月、英国政府は新型タイプ45対空防衛駆逐艦3隻の建造を承認した旨発表したが、この駆逐艦にはWR21が採用される見込みである。

Spey(19MW)は軍艦の標準的なエンジンであり、100台を超える供給実績がある。製品の価格は高いが、信頼性が高いエンジンである。

アリソンのガスタービンA601(7MW)は新しいエンジンであり、供給実績はまだ5〜10台程度。ターゲットは高速フェリー。

A501(5MW)は15年から20年の実績があり、搭載実績も多い。推進機関のほか、米国海軍には発電機駆動用エンジンとしても採用されている。

Eurodyne(2.5MW)は、R社がTurbomeca(仏)、Volvo(スウェーデン)と共同開発したものである。推進機関及び発電機駆動用機関として開発した。第1号機は、2000年12月にプライベート・ヨット(2001年7月竣工予定。Eurodyne3台+ウォータージェット)に搭載される予定。

 

(2) General Electric Company(GE)

米国のGEは商船向けガスタービンの最大の供給メーカーであり、60基を超えるLMシリーズのガスタービンが発注又は運航に供されている。1999年にも、LM2500がTirrenia Lineの高速フェリー(建造造船所Fincantieri。主機は、LM2500と4基のMTU 20V1163によるCODAG(Combined Diesel and Gas turbine)。)に搭載された。LM2500+は、LM2500の高出力バージョンであるが、高速フェリー向けの第1号としてCorsaire 13000型高速フェリーNGV Liamone(旅客定員1,000人、車両積載台数290台。主機は2基のガスタービンと2基のMTUディーゼルエンジンによるCODAG。)に搭載された。また、より高い出力のガスタービンとしてLM6000が開発されている。

 

 

 

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