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(4) Rolls-Royce(Bergen C-type:ベルゲンからの新しい挑戦者)

Rolls-Royce(旧Ulstein Bergen)は、韓国の現代重工と共同で小ボア径の新型エンジンC-type(ボア径250mm)を開発している。同エンジンのプロトタイプテストは1999年12月に実施され、ノルウェーと韓国の2カ所で製造される予定である。

 

(5) 高速フェリー市場の成長に伴う動き

高速フェリー市場の継続的な成長や短航路高速貨物船の増加見込みを背景として、4ストロークエンジンメーカーは、高速フェリー用エンジンとして、1]高い単位体積・重量当たりの出力、2]一定時間(航海時間)の高負荷に対する高い信頼性、及び3]低いライフサイクルコストを追求している。Caterpillarは、ボア径280mmの中速エンジン3600シリーズに加え、3618や高速エンジン3512Bや3516Bを投入している。このほか、MAN B&WやMTUも高速フェリー市場向けのエンジンの開発、供給を活発に実施している(第4章参照)。

 

3. ガスタービン

ここ1、2年の大型契約に鼓舞され、高速の貨物船や旅客船への注目並びに排ガス規制の強化を背景に、ガスタービンが今後より多くの商船に採用されることが予想される。今日、舶用ガスタービンは、小型高速フェリーから大型クルーズ船、大洋横断高速貨物船に搭載可能な1基当たり2.6MWから50MWまでの出力のものがある。ディーゼル機関と比べた場合のガスタービンのメリットは次のとおりである。

1] 高出力密度、従って機関室空間の節約

2] 規格化された部品の迅速な修理/交換による高い信頼性と有効性

3] 保守整備の必要性の低さ

4] 競争力のある初期費用(購入及び据え付けを含む)

5] 排出NOx、SOxの低さ

6] 音と振動の低さ

以下に製造メーカー毎の動向を述べる。

 

(1) Rolls-Royce

高速貨物船FastShip建造計画2において、Trentガスタービンが主機として搭載されることが1999年決定された。

冷却再生ガスタービンWR-21は、船主に対しコスト面での大きな改善を提供する。

 

2 40ノットの超高速コンテナ船(1,432TEU)4隻を新造する米国船社ファースト・シップ・アトランティックの計画。4隻のコンテナ船は大西洋航路に投入され、米国とフランス間をドアツードアで4日間で結ぶ予定。

 

 

 

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