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とにかく、どこが“重要な海域”であるかを決めるのは、地理学者の判断の正しさとか慎重さの程度によるのである。

合衆国版海図の作成に利用された、合衆国、内海の測量調査資料のおおよそ60%が、測深鉛を使って得られたものである。この測量方法は、1930年以前に用いられたものである。1939年の測量は、最大深度6から10尋(36から60フィート)の水中に、長さ400メートルの測深用曳き索を用いる、自動記録のできない型式の電気音響測深儀によったのである。この際の測量地点は、六分儀を使って三点式方法で決定していた。幾つかの水域では、実際の測量間隔が、最大幅の400メートルよりも少しだけ大きくなっている。深度は、示度計に表れ、一定形式で手書きで記録されたのである。そこには、海底測量の図面式記録は、描けなかった。この音響測深儀によって測量された海底面積は、水深の0.4倍分であった。水深40から50フィートの間では、直径16から20フィートの円内の水域が、音響測深儀の送信波を受けるのであった。1939年の測量期間中にNOAAが求めた実際的な深度の正確さは、次のようになっていた:

測深計の正確さを調べるための[索測深と音響測深との]深度比較が、深度50尋[300フィート]以内では、一日二回以下であってはならない。深度計と垂直投下物[索測深]による深度の誤差が、一週間の平均で1.5%以内なら測深計は正確であると判断して構わない。

最後の測量が行われた1966年には、正確さの度合いはより厳しくなっていた:

…[沿岸及び地形調査]の監督官の特別な許可がない限り、11尋(66フィート)以下の深度では、誤差1フィート半以内の正確度、これより深度が大きい場合には、誤差1%以内の正確度でそれぞれ測量すること。深度が急激に変化し、または、不規則な海底のある水域での正確度は、水深11尋以下では1フィートに引き下げてもよい。

現行のNOAAの正確度は、国際水力学協議会の基準値の中に見ることができる:

測深作業での総誤差は、最低90%の確率で:(a)0から30メートル[約98.4フィート]で0.3メートル[約0.984フィート]そして(b)水深30メートル以上で1%をそれぞれ超えてはならない。

1966年測量は、1939年測量の海域と重複していたが、カッティハンク島の南方にある39フィート地点付近海域は含んでいなかった。

 

 

 

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