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ムシガレイ:口はやや大きくて、上顎の後端は眼の中央の下方に達し、上顎長は頭長の1/2.8〜1/2.5。上眼は頭の背部外廓に大いに近づいている。側線は胸鰭上方で湾曲しているが、半円形ではなく低い山形。5〜6月に産卵する。冬季に美味で、多く干し物にする。

メイタガレイ:吻がはなはだ短く、眼隔には前後にそれぞれ1個の棘のある隆起がある。体高が大きく、肉に厚みがあって、小形なので容易に他種から区別できる。

アサバ:口は小さく、背鰭は上眼の中央より前方の上方から起る。側線はマガレイ類に似て胸鰭上方に半円状の湾曲部があるが、上眼の後方に斜め上方に向う直線上の枝と下方にやや曲って下り鰓蓋主骨上方で主側線と合う枝とがある。冬にやや美味。近似種にシュムシュガレイがある。

マコガレイ:クロガレイに近いが、背鰭と臀鰭の黒色のシマが無い。口は小さく、背鰭は上眼の前半の上方(無眼側の後鼻孔の上方)から起る。側線は胸鰭上方に半円状の湾曲部をもち、前方に付属枝をもたない。南日本に普通見られる。美味。

ヤナギムシガレイ:体は大いに側扁してやや細長く、体高は標準体長の1/3.5、口が小さく、両眼間隔は狭い。背鰭は上眼の瞳孔後縁の上方から始まる。側線と両顎歯は体の両側に発達している。鱗は円鱗。干物として甚だ美味で、小形カレイ類中もっとも重要な種類。

シロギス(キス):体は細長く、黄味をおびる。内湾や沿岸の砂泥底にすみ、釣りの対象としても人気がある。白身で美味で上品な魚として塩焼、椀種、天ぷらなどとして食用にされている。千葉県南部では8〜9月頃、分離浮遊性の卵を産む。

シイラ:雄は眼前部が張出して、いちじるしくおでこの形をしている。背鰭に棘がなく、眼の上方から始まる。鱗ははなはだ小さい。わが国では上等の食品とはされていない。多く塩乾品にする。ハワイでは高価だという。

ブリ:体はあまり側扁せず、紡錘形に近い。上顎主骨の後縁の上角は角ばって眼前縁下に達する。本種は年令により、また地方によっていろいろの名前で呼ばれている。成魚に達するまで数年を要する。産卵時は春で、浮遊卵を産む。産卵期になると味がおち、冬季に“寒ブリ”といって美味。

ツクシトビウオ:わが国で産業上もっとも重要な中形のトビウオ類に属する。胸鰭の位置がやや前方にあって、普通舌が細いので、一緒に獲れるホソトビウオから区別されている。八十八夜のころ、種ケ島へ大群をなして来遊する。晩春には潮ノ岬、関東地方、山陰地方、盛夏には北に回遊して、陸奥湾や噴火湾にいたる。わが国だけから知られている。

 

 

 

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