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Q29 地球の未来はどうなるのか? 未来代

A29 地球の未来は、地質学の知識を応用すれば、ある程度予測することができる。例えば、プレートテクトニクスは大陸の配置を変化させている。その変化方向とスピードは、わかっている。したがって、1億年程度の未来ならば、かなり正確に予測可能である。また、プルームテクトニクスの応用により、より長期の予測が可能となる。現在の蓄えられつつあるユーラシア大陸下の沈み込んだプレートは、やがてコールドプルームとして核表層まで沈降する。その反作用でスーパーホットプルームが上昇する。このようなプルームによって大陸の配置がより長期にわたって推定可能であろう。しかし、それもせいぜい数億年程度である。地球環境の変化が、海の存在できる程度の変化であれば、生命は存続するであろう。しかし、最終的に地球は、太陽の核融合の終了をもって、その存続は終わる。太陽の最後は、爆発を伴って惑星状星雲へと変化する。その爆発で地球は、消滅するであろう。

 

C 海水・大気の大循環

[過流を中心に]

 

Q30 太陽系の惑星の中で、なぜ、地球だけに液体の海があるのですか?

A30 太陽系の惑星は2種類に分類されます。表面が岩石で覆われた地球型の惑星(水星、金星、地球、火星、冥王星)と、岩石は中心部だけで、そのまわりを気体の層が厚く覆っている木星型惑星(木星、土星、天王星、海王星)です。木星型惑星の大気の中にも、わずかに水蒸気はありますが、地面がないので海はできません。しかし、木星の衛星「ユーロパ」の表面は氷に覆われており、その下に液体の水があるといわれています。

このことからわかるように、水という物質は、太陽系ではめずらしくありません。しかし、液体の水が惑星表面に存在するのは、地球型惑星の中でも地球だけです。水星は大気を捕捉するのに必要な重力が小さく、その上、あまりに太陽に近いために、大気が高温になって、すべて宇宙に拡散してしまいました。火星の大気環境は、かつては地球と似て、液体の水が表面にありましたが、現在は気温が低く、水はすべて地下に凍りついてしまいました。逆に、金星は気温が高すぎて、水はすべて蒸発し、長い時間をかけて、宇宙に拡散してしまいました。太陽系の惑星の中で、地球の表面だけが、広い範囲で0℃と100℃の間にあり、水が液体でいられるのです。しかも、上空の気温が低いために、海面から蒸発した水蒸気は、空中で凝結して、また地表面にもどされてしまいますから、46億年たっても、水が宇宙に拡散してしまうことがないのです。

 

 

 

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