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東京クヮルテット

 

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東京クヮルテットは、世界最高の室内アンサンブルの1つである。ワシントン・ポストは「東京クヮルテットが世界最高のアンサンブルでないとすれば、いったい他のどんなグループがそうだといえるだろう。」と評した。1969年にジュリアード音楽院で結成されたが、その名前の示すようにもともと桐朋学園大学出身の日本人が創立メンバーであり、とかく海外での活動の少なかった邦人アーティストの中では輝かしいサクセス・ストーリーを築いた希有の存在と言える。その卓越した技巧と優美な演奏スタイルは称賛の的であり、クヮルテット結成以来高い評価を受け続けている。毎年、全米、カナダ、ヨーロッパ、南米、アジア、オセアニアの各地で100回を超える演奏会を行っている。

東京クヮルテットのメンバーは演奏活動の傍らイエール大学で音楽の教鞭を取っている他、シンシナティ音楽院のレジデンス・アーティストでもある。毎夏には北米、ヨーロッパ各地の主要な音楽祭に出演。1995年より日本音楽財団から貸与されている「パガニーニ・クヮルテット」として知られる有名な1セットのストラディヴァリウスを今シーズンも使用。

結成30周年を迎えた昨年、結成以来クワルテットに貢献してきたチェロの原田禎夫が退団。後任としてイギリスのクライヴ・グリーンスミスが参加。一口に30年というが、世界の一流クヮルテットで、これほど長期間第一線で活躍している事例は希少である。それほどクヮルテットの存続には困難が伴うのである。当クヮルテットも多くの変化を乗り越えて今日まで来た。1981年にカナダのピーター・ウンジャンを第一ヴァイオリンとして迎えてひとまわり大きくなり、1996年からはロシアのボロディン・クヮルテットからミハエル・コペルマンをウンジャンの後任として迎え、それを機にさらにレパートリーを広げた。現在東京クヮルテットのプログラムは、古典から現代までを網羅しており、そのことはまた他に比類のない特色となっている。

BMGクラシックス/RCAビクター・レッド・シールと専属契約を結び、数多くの録音を行っている。

 

 

 

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