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自殺・心の病気と労働災害

(ストレスとの関連での認定上の問題点)

 

事故あるいは発症前の業務の過重性

:直前六ヶ月、特に三ヶ月の超勤時間数

ある期間特に集中的であったかどうか

(何時間以上と線を引くのは難しい)

:業務の内容(精神的な過重)

通常の業務以外の仕事(今まで従事したことがない業務)

配置転換などで仕事の内容が大きく変わった

責任の大きさ

責任者として代表的な立場であった

自分のみで判断し処理しなければならない事が多かった

:職場内外の人間関係

職場内:異動時の引継ぎが不十分

上司や同僚のいじめにあった

(確認が困難なことも多いが、本人や家族が訴えてくることがある)

中間管理職などで上司と部下との板挟みの状態

職場外:外部との交渉ごとでの心労

(関係方面との折衝など)

業務に関連してあるいは業務中における「異常な出来事・突発的事態」の発生:これによって精神疾患の発症や自殺災害を引き起こすことが想定されるほどの精神的負荷や強度のストレス状態が存在したと考える場合

これも例を挙げれば切りがないが

大地震、暴風、豪雨、洪水などの自然災害

火災、爆発

爆発物、薬物、毒物などによる無差別テロ など

これらの状況の元で昼夜を問わず業務に従事して強度の精神的ストレス、肉体的過労等が重複、重積したことが明らかである場合

 

自殺について

精神疾患の存在が疑われ、それと自殺災害との因果関係があると判断される場合は、その精神疾患が業務過重と関連があるかどうか

精神疾患の存在が明らかでない場合は業務過重があった事が、客観的に認められ、それが自殺の「ひきがね」になったかどうかを慎重に判断しなければならない

 

 

 

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