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男性特有のストレスとか、女性特有のストレスというものが考えられるのかどうかという点では、いろいろな意見もあるかと思います。日常の社会生活の中で、妊娠、出産、育児、家事などが女性としてのストレスの原因となることは少なくないでしょう。ただ、育児や家事については家族が協力するというのも普通になってきています。逆に、人によってはそれが、ストレスとなることもあるようですが、この辺は、ある程度、個人個人の問題ともいえます。

一方、職場でということについていえば、結婚している女性については、同様のことがあり得るわけです。第2巻のキャリアーウーマンシンドロームで説明したような問題も起こってきます。しかし、一般的には、職場での処遇に関しての不満がストレスの元となることが多いようです。

もちろん、男性と女性とでは、身体的、生理的に異なるわけですから、全く同じというわけにはいかないとしても、女性でなければできない、あるいは男性しかできないという職種はあったとしても多いとは思えません。しかし仕事の内容ということになると、そこは多少違いは出てくるでしょう。

看護婦、保育関係の仕事は女性の方がいいかどうかといっても、看護士とか一時は保父などという名称があったり、時と場合によっては男性の方がいいということもあり得るでしょう。トラックやバスの運転手の職域にも女性が進出してきてもいます。土木関係の重労働などは、男性の方がいいだろうとはだれでも考えますが、いずれにしてもこれらのことは、個々の問題であるような気がします。様々な職場への女性の進出を妨げるというような風潮はなくなってきているとは思いますが、女性、男性ということではなく仕事への向き不向きというのは事実存在するわけですから、それぞれが現実をよく見極めるということは必要です。

男性の方から女性に比べて職場で差別を受けているというようなことは余り聞きませんが、女性の方からいうと、いくつかの訴えがあるようです。

 

 

 

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