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特に男性の単身赴任者の場合は、食事の問題が大きいので、健康管理のマニュアルなどでは、それにかなりのスペースを割いていますし、食事のことは、メンタルヘルスと関係がないわけではありませんが、ここではよりメンタルヘルスに関連するようなことについて少し述べておくことにします。

実をいうと単身赴任をストレスと感じるかどうかについては、個人差がかなり大きいようです。男性か女性かとか世代によっても随分違うように思われます。

一般的には、それまでの生活と環境が変わること、仕事を終えて帰った時に家庭的な気分が味わえないことなどがストレス要因として挙げられるでしょう。

生活環境の変化―職場の状況の変化も含みますが―が心身に与える影響についてはいろいろなことが考えられますが、一部は第2巻「2 職場のストレス」のところでも述べた転勤、出向そのもののストレスと単身赴任により単純に慣れない生活環境に適応するまでの気持ちの切り換えなどということになります。具体的にいえば、新しい職場での人間関係、業務内容の変化などですが、これは単身赴任と関係なく職場異動によってもおこる出来事ともいえます。しかし、それが単身赴任という職場を離れた後の家事などの負担によって倍増されるという可能性があります。

単身赴任についてのアンケートや単身赴任者の健康管理などについてはいろいろと書かれているものがあります。必要ならそれを参考にされることとして、ここでは、単身赴任者に対するサポートについて少しふれておきます。

単身赴任そのものが、決して望ましいことではないことは前にもいいましたが、やむを得ないのなら本人としては、自分の人生経験を豊かにし、将来の発展のためのエネルギーを貯えるのだという目標意識を持つことが大切です。一方、職場としては、抽象的な励ましのようなことではなく、ある程度は現実に基づいた具体的なサポートが望ましいのではないかと思います。

 

 

 

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