定年を控えて―定年後の生活
定年後の過ごし方
再就職と経済的基盤
身体的な健康の維持
精神的な健康の維持
―新たなストレスヘの対策
生きがいと趣味
友人との付き合い
“自分で求めるものと与えられるもの”
個人個人の問題はこの表に挙げたことで分かると思いますので、職場としてのサポートについて少しふれておきます。
一つには、定年退職に際しての様々な事務的な手続きなどは、当事者になってみないと分からない面倒なことが多いようです。この点は、いくら親切にしても、し過ぎることはないというのが、経験者の実感のように聞きます。
また、これまでは職場として健康管理を受けていた者にとっては、その後のことはどうしたらいいかという不安があります。何度もいいましたように、成人病といわれるような病気が増えてくることも念頭に入れると当然のことです。ただ、このことは、職場だけで十分に対応することは難しい点もありますから、社会全体としての福祉などの問題かもしれません。
定年後にその個人が何をするのか、などということを職場や相談室が決めるわけにはいかないのは当たり前ですが、ある職場では、退職者のためのサロンを設けたり、趣味のサークルを作ったりしているところがあると聞きます。どこまで退職者の面倒をみるかという問題はあるかもしれませんが、大変素晴らしいことだと思います。
人生に定年はないといっても、働いているものにとって一つの大きな転機としての職場での定年に対しては、その前のある時期、できれば定年後についても職場、ひいては社会の援助が是非あって欲しいものです。