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空の巣症候群というのは職場の問題と直接関係はありませんが、ひな鳥が成長して飛びたって巣が空になった時の親鳥に例えて子供が成長して、学校を卒業し就職して、親の手を離れた後、特に母親が、がっくりしてうつ病になることをいったもので、荷おろしうつ病などと共通するところがあるようです。

この章の最後に定年に関する事柄についてふれておきます。このことは特に以前から職場の福利厚生の一貫として重要視されてきているからでもあります。

本人の問題、職場としての対応などについて、表にまとめてみました。

特に細かい説明はしなくてもこの表に挙げたことに尽ると思います。本人自身が自分の問題として考えていかなければならないことが多いわけですが、やはりそこに適切なアドバイスを受けることができるという態勢が望ましく、あとで述べる相談室やカウンセリング対応の充実が是非あって欲しいものです。これも広くはカウンセリング・マインドによる対応といえるかもしれません。

 

定年を控えて

これまでの日本人には仕事人間が多い

生涯の大半を職場の仕事に打ち込んできた

定年は大きな節目であること

長い職場での生活を振り返って淋しい思い

退職後の不安

働くことの意味は何であったのか

 

個人的な事情:子供の教育が残っている

子供の就職や結婚

夫婦だけの生活になる可能性

持ち家の問題

 

家族(特に配偶者)の役割

定年は人生の新たなスタートであることをお互いに認識する

 

社会的な対応(職場のサポートシステム)

退職準備に対するケア

経済的な問題―年金など

健康の問題―退職後の健康管理へのバックアップなど

種々の事務手続きが大変なことへの理解と指導

 

 

 

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