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この間、検討内容の一部を小冊子として各省庁へ配布してきたところであるが、このたび、本会議においてこれら検討結果が包括的に取りまとめられるに至ったものである。

 

1 メンタルヘルス対策のあり方

精神面の健康管理は、精神障害の早期発見、早期治療だけを目的とするものではなく、職場の有害なストレス要因(仕事の過重、不快な職場環境、人間関係の葛藤等)を除去し、職員が精神的に不健康な状況に陥らないように予防するとともに、更に積極的に職員のメンタルヘルスを高め、その持てる能力を十分に発揮させる―これが精神面の健康管理の本来のあるべき姿である。

メンタルヘルス対策は、精神科医等の専門医を確保したうえで、健康管理医、健康管理者等の体制の整備、充実を図り、各職場の管理・監督者等がメンタルヘルスについて正しい理解と認識を持ち、これら関係者の連携、協力の下に推進されなければならない。

メンタルヘルス教育等の対策を進めることにより、職員が自分自身の健康状態を自覚し、それをコントロールし、更にはストレスに対応できる強い精神を養うことができるようになり、また、職場においても職場不適応の早期発見や回復者の円滑な職場復帰はもとより、職場内に良好な人間関係を成立させ、究極的には職場の活力の向上、公務能率の増進に寄与することになる。

なお、メンタルヘルス対策を進めるに当たっては、身体面の健康管理の場合にもまして一層のプライバシー遵守が重要である。職場不適応等に陥る要因には、仕事上の問題だけではなく、人間関係の問題や家庭内及び金銭上のトラブル等、とかくデリケートな問題が多いので、医師等の医療スタッフはもとより、健康管理担当者や人事担当者、更に職場の管理・監督者等の関係者は、当人の人権に配慮した慎重な対応が求められる。

 

 

 

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