日本財団 図書館


一方でなお、精神的な負担が続いていると考えられる時は、引き続き医師の診療やカウンセラーによるカウンセリングも続けていくことが必要になります。

 

(5) 再発予防対策

問題は、狭い意味の精神疾患などで、前のその人に比べて、仕事上の能力が低下しているのではないかと判断される場合、この時は、職務上の配慮もさることながら、再発の危険性も少なくないものです。また、躁うつ病(ICD10では気分障害)の場合は能力の低下は目立たなくても、再発の恐れは少なくないとされています。

 

再発予防対策

通院の便宜をはかる

職場と主治医との緊密な連絡

職務上の配慮

(いずれも余り目立たないように)

不調のきざしを早く発見する

先入観を持たないこと

家族との連絡

仕事の上であせらないようにさせる

劣等感を持たせないように気を付ける

 

そこで、再発の危険性の大きい小さいは別として、職務復帰後も医師の診療が必要とされている時には、いくつかの問題があります。職場あるいは上司としては、本人の医学的な状況も把握しておきたい。その必要があるのですが、それには診療を担当している主治医との緊密な連絡をということになります。一方で医師としては本人のプライバシーにかかわる問題ですから、周囲から問い合わせがあったからといって、そう安易に何もかも話してくれるとはいえません。これは守秘義務のことになるのですが、それでは状況が素人としてはとらえにくいということにもなります。本人としても余りそのことに立ち入られたくないと思う場合もあるでしょう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION