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またコンピューターに限らず、様々な新しい機器が導入され、昔からの方法が一変し、これについていけないために、うつ状態になった例があります。もう何年も前の話になりますが、大きな新聞社で長年新聞の印刷に従事してきた中年の職員が、全く違った機械が導入されたことにより、それについていけず、かといって昔から同じ仕事をしており、他の部署への転換も困難で、うつ病を発症した事例をみています。もちろん、比較的若い人でもコンピューターがうまく使えず、パニック状態になったという例もないわけではありません。

ス 同僚の昇進・昇格

同僚の昇進・昇格のことは前に述べた抜擢の裏返しのようなことでしょうか。

余り考えたくないことですが、やはり職場内に派閥のようなものが存在することも否定できずそれとの関連も無視できないこともあるように聞きます。

セ 自分の昇進・昇格

ところが、自分自身の昇進や昇格をストレスと感じる場合もまれでないようです。これは後のストレス関連症候群の昇進拒否症というところにも出てきます。単純に考えれば、責任が重くなるとか、昇進によって職場が変わるとか、場合によっては他の地域への転勤といったことなどもあるでしょう。しかし、単に昇進そのものをストレスと感じるという人もいるようです。これも他からみれば、いわばおめでたいことなのにということになるわけですが…。

ソ 長期休暇

最後に長期休暇というのを挙げてあります。これも考え方はいろいろですが、概して年輩の人に多いという報告もあります。働くことが、自分の生活の中心であるという考え方や余暇の過ごし方の下手な人ということになると、今のところはやはり中年の人以上ということになります。大げさに言えば人生観の問題にもなるかもしれませんが、このごろはリフレッシュ休暇制度というのも方々で取り入れられてきているとも聞きます。

 

 

 

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