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職場でも一つの部署を仕事仲間の集団と考えれば、そこから他の集団の中へ入っていくことが、ストレス要因となることはあり得るでしょう。

もっともこれにも個人差はあり、例えば、親の転勤に伴い学校が変わった子供の場合、新しい学校にすぐ慣れる子となかなか新しい学校になじめない子がいたりします。実はこのようなことが職員の立場では、ストレスになるということもあるでしょうから、そう単純なことではありません。これは一つの解釈だともいえます。もちろん、人事異動などに伴うストレスのありようは、この仲間意識だけの問題ではなく、その他のいろいろな条件が関係していることは当然です。ただ、やはりいえることは、人種のるつぼだといわれるニューヨークとか、ヨーロッパの国々の公務員同士は、仲間ではなくてライバルだというような話を聞くと、少なくとも日本については、ある程度あてはまるような気がします。

力 労働条件の大きな変化

労働条件の大きな変化といってもややあいまいで、いろいろなものが含まれます。上記の人事異動の関係や昇進・昇格に伴うものもあるでしょう。細かく言えば切りがありませんが、単純に同じ職場内でということから、いろいろな事情で職員の定員が減って忙しくなった、機構改革で仕事の中身が変わった、別の項目にもありますがコンピューターシステムの導入と考えられることはいくつでもあります。もちろん、給料が減ったなどということもそうでしょうし、不景気で残業が減って収入が少なくなって困るというような忙しすぎるのと反対なことを訴えて来られる場合もあります。

キ 人間関係のトラブル−上司、同僚、部下

人間関係のトラブルについては、既に述べましたが、一つ付け加えておきたいのは、職場というのは上下関係が一応きちんとしていると考えられます。例えば、課長がどうも課長補佐と気が合わなくて、ついつい課長補佐を飛ばして、気の合う係長と直接相談することが多いなどという場合には、職場の人間関係がより悪くなるという原因となります。

 

 

 

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