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1 ストレス(ストレッサー)とは

 

現代社会は、職場でも家庭でも極めてストレスが多いと、だれもがいい、だれもが感じているようです。

それではストレスとは何かというと、ストレスという言葉を最初にいい出したH・セリエによれば、「ストレスとはもともと動物の外的な刺激に対する適応の様式」ということのようです。生体が、温熱、寒冷、外傷など有害な刺激を急に受けると、ホルモン系や自律神経系が反応し、血圧が上がったり、脈が早くなったりし、一方で何とかストレスに適応しようとします。しかし、このようなストレスが持続すると、身体のエネルギーを消耗し、胃潰瘍などの心身症といわれている症状が現れることになります。現代においては、物理、化学的なストレッサーよりも心理的なストレッサーがより重要だといわれますが、これはいいかえれば、「精神的な負担になること」といえるでしょうか。ストレスが積み重なってくると、眠れなくなるとか、集中力がなくなる、不快な気分になるなどの精神的な症状が現れ、さらに頭痛、肩こり、食欲がなくなるなどのことが現れてきます。ストレス過重のためにどんなことが起こってくるのか、詳しくは後で述べます。

ストレッサーというのはストレス要因ということで、ストレス状態を引き起こす原因になるものということで、ストレスという言葉と少しニュアンスが異なるかもしれませんが、ここではストレスということで統一しておきます。

表2にストレス(ストレス要因)をまとめてみましたが、一般にストレスというと、心理的なものと考えやすいのですが、前に述べたように、生体に対して有害な刺激ということになれば、もっと様々なものがあるわけです。

 

 

 

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