【今後の海上保安業務国際関係情報の提供】
総務部国際・危機管理官国際係長
川越功一
「コンパス」は、昭和58年の創刊以来、ほぼ、年2回のベースで発行を重ね、今回が第39号目になります。「コンパス」は、創刊当時、海上保安業務の国際化、広域化という新しい流れの中で、これに携わる海上保安官の国際関係情報の交換の場としてその一躍を担いつつ、国際的な海上保安情報誌として成長し、広く関係者の皆様に利用されてきました。
これまでの「コンパス」においては、国際関係行事等の紹介、海上保安アタッシェ、JICA派遣専門家、海外新聞・雑誌等からの情報、SAR条約、国連海洋法条約等の国際条約をめぐる各国の動向等、当庁職員の執務上有意義と思われる情報等を盛り込み、寄稿文を主体とした構成で編集を行ってきました。
しかしながら、ここ最近においては、海上保安に係る専門情報の収集・分析等の重要性が盛んにいわれるようになってきました。また、近隣諸国との連携・協力関係が徐々に進展・強化されてきました。このような情勢において、今一度「コンパス」のあり方について検討した結果、これまでのコンパスの編集方針を変更し、今後は、海上保安に関する専門情報誌として、取り扱う情報のポイントを絞り込み、より深く専門的に、かつ、情報分析や今後の見通し等にも触れながら、第37号以降、新たな「コンパス」をスタートさせました。
新生「コンパス」においては、これまで、近隣諸国情報(第37号)や国際協力(第38号)を特集してきており、徐々にではありますが、専門情報誌としての内容、体裁を備えつつある状況に至っておりました。しかしながら、最近においては、電子メール、インターネット、イントラネット等を情報ツールとして、大量の情報が世界的ネットワークにより迅速にやり取りされている状況にあります。これまでの「コンパス」は、冊子という形で配布してきましたが、配布数に限りがあるという問題がありました。