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現在、水路部では水路測量コースと海洋調査・データ処理コースの2つの集団研修を実施しています。水路測量コースは、4月から11月までの約7ヵ月間、海洋データ処理コースは11月から翌年3月までの4ヵ月問であり、各コース10名ほどが参加しています。研修生は主に東南アジアからであり、今年の水路測量コースには、フィリピン、マレーシア、ヴェトナム、タイ、トンガ、フィジー、インドネシア、スリランカ、モーリシャス、タンザニアから参加しています。

(1) 水路測量(国際認定B級)コース

水路測量コースは、開発途上国の水路部またはその関係機関において水路測量業務に従事する技術者に対し、水路測量の基礎から最新の理論や技能を修得させることを目的とした研修です。昭和63年度から国際資格の認定機関である国際水路測量技術者資格諮問委員会により国際資格B級の認定を受けたことで、平成元年から同国際資格に基づく研修内容とし、現在の水路測量(国際認定B級)コースとして新設されました。研修修了者には、水路部長より同コース修了証書が与えられます。

(2) 海洋調査・データ処理コース

平成9年まで「海洋物理調査コース」と「海図作成コース」を隔年で実施してきましたが、近年のコンピューター技術の発展に伴い新しい観測技術や海洋観測データ処理技術が導入されて国際的な海洋情報のデータ管理が各国の重要な課題となりました。また印刷物や無線が主であった航海情報の提供媒体も電子化により多様なニーズが生じてきたという背景から、平成11年、データの収集技術だけではなく、そのデータの管理処理技術までを内容として「海洋調査・データ処理コース」が新設されました。海洋物理の理論とコンピューターによる観測データの解析・処理、数値シュミレーション技術を修得し、海洋調査の計画、調整、報告書作成及びデータ管理を行える調査管理者を育成することを目的とした研修となっています。

 

2. 専門家派遣

(1) モーリシャス水路部設立アドバイザー

モーリシャスは、南半球のインド洋、マダガスカルの東に浮かぶ小さな島国で、日本同様、海洋国家であるにも関わらず、国に水路測量・海図作成を担当する行政機関が存在していません。

 

 

 

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