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水路部における国際協力

水路部

 

はじめに

まさに海そのものを扱う水路部の業務は外国との密接なつながりを持っており、常に海外に目を向けて仕事をしております。そのため諸外国の事情にもによく通じており途上国への技術提供にもいち早くから取り組んでいました。個別に実施していた研修までさかのぼるとその歴史はたいへん長く、国際的にも非常に高い評価を受けております。それでは、水路部が行っている国際協力事業について簡単にご紹介したいと思います。

 

1. 集団研修

現在水路部で行われている集団研修の水路測量コースの元となる「水路技術コース」が始まったのは昭和46年からで、かれこれ30年近くも続いている伝統ある研修となっております。実はその以前からも水路部は独自で講師や資機材を都合して海外から多くの研修生たちを受け入れてきており、そういった外国人研修を実施する行政機関もまだ少なかった当時から、水路部はなかなか前衛的であったように思います。

東アジア地域における水路業務技術者の不足がかねてから内外の関係者に認識されていた頃の昭和39年、第4回国連アジア極東地域地図会議(現在の国連アジア太平洋地域地図会議)において、インドと日本にアジア地域の水路調査の開発を進めるために測量要員を養成する訓練センターの設立が国際的な要望として表明されました。それを受けて、昭和45年、東京で開催されたアジア太平洋海洋協力計画専門家会議において、日本政府はそれまで水路部内で行ってきた外国人研修を定期化・組織化した水路業務集団研修計画の詳細を提案し、各国の賛同を得て、昭和46年から「水路技術コース」が始まりました。翌47年には更にその専門性を高めるべく「水路測量コース」と「海洋物理調査コース」の2つ研修に分かれて現在の2コースとなっています。(後述しますが、海洋物理調査コースは、今は改良されて海洋調査・データ処理コースとなっています。)

 

 

 

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