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課長挨拶

総務部国際課長

小野芳計

 

平成12年6月30日に国際課長に着任しました。前職は、都市基盤整備公団都市施設交通部次長で、千葉ニュータウンの中を走る北総・公団線の鉄道建設、鉄道経営の担当でした。印西牧ノ原駅から一駅区間延伸して印旛日本医大駅までと車両基地を建設し、開業(7月22日開業日)させることが重要な仕事でした。

運輸省に入省して23年目ですが、国際的な仕事は、平成2年から5年まで在豪州日本大使館に勤務して以来になろうかと思います。当時は、大使館で航空協議、海運関係や観光関係の運輸省の事案、花博関係の建設省の事案そしてITUや郵便関係の郵政省の事案などを担当していましたが、海上保安の関係でもAustralian Maritime Safety Authorityとお付き合いしており、その時の芽が花を咲かせ、今ではアジア太平洋海上保安主管庁フォーラム等で、より結び付きが深くなっているのには、改めて驚いているところです。

また、安全保障関係業務としては、昭和61年から63年まで防衛庁防衛局に出向して国際軍事情勢の分析を担当していました。当時はソ連を「潜在的脅威」として捉え、そのラインを基本線として、防衛白書の国際編も書かせてもらいました。SMPや武器、兵器の名称など耳慣れない言葉には本当に苦労しましたが、この「Soviet Military Power」と「米国防報告」、そして「ミリタリー・バランス」「ジェーン年鑑」を三種または四種の神器といって重用していました。しかし、全く世界の見方が異なるところもあるのだなあと感じていました。

先日、着任後3週間余で、韓国の仁川の海洋警察庁に長官級定例協議の事前協議のため出張してきました。その際、仁川の海岸線には有刺鉄線のバリケードが張ってあり、海水浴もバリケードのゲートを開けて海岸に出ないといけないと聞き、改めて現実の厳しさを認識した次第です。テレビ、新聞等の報道からは、南北の和平が進んでいるのだなあという甘い認識を持っていたのかもしれません。

事ほど左様に、海上保安、運輸関係は現場を見ないとなかなか実感として認識しにくいという点があろうかと思いますので、できる限り今後は現場を見る、現実を直視するという「現場主義」でいきたいと思います。

今後、当庁としては、二国間では、日韓、日中及び日露を中心に協力関係を進めていく必要があり、また、東アジア、東南アジア方面では、海賊対策を中心に協力関係を推進していく必要があると考えております。

色々な場面で、海上保安庁の出番も多くなろうかと思いますので、関係者の皆さんの御支援、御協力を頂きつつ、がんばって参りたいと思います。どうぞ宜しくご指導の程、お願い申しあげます。

 

 

 

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