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Prof. R. Eatock Taylor,UK

Prof J. W. Lee, Korea

Prof P. T. Pedersen, Denmark

Prof. H. Petershagen, Gemany

いずれも各国における指導的立場を占める人たちであるとともに、ISSCという国際的な組織を深く理解した建設的な意見を常に出すことによってISSCの方針を決めてきた人たちである。5名のこのような有能な理事が同時に辞められることは理事会にとって大きな痛手である。特にISSC 2000を日本で開くにあたって心からの温かい協力を得たことは忘れられない。5名に変わり新しい理事が5名参加することで理事会の構成は表4のようになる。

 

表4 ISSC 2003理事会(Standing Committee)

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ISSC規約の改正

規約の一部が改正された。

1. 参加者の最大数が現在の225名から250名となった。

2. これは、Specialist CommitteeとSpecial Task Committeeの委員数が8名から10名に変わったことに連動している。

3. 委員会の報告や討論において個人の研究や組織の宣伝を行ってはならないことが明記された。

次期中間理事会

次期中間理事会は2001年に開催されるPRADSにあわせて、9月に上海で開催される。(大坪英臣)

 

3 技術委員会

Technical Committee I.1 Environment

本員会の構成は、委員長Prof. Tedeschi (伊)、以下Prof. Athanassoulis (ギリシャ)、Prof. Boonstra (オランダ)、Dr. Brook (英)、Dr. Guan (中)、Dr. Haver (ノルウェー)、河邉博士(船研)、Prof. Litonov (露)、Mr. Olagnon (仏)、Dr. Schaffer (デンマーク)、Prof. Troesh (米)の計11名である。なお、Dr. Brook、Dr. Guan、Mr.Olagnon、Dr.Schafferは本会議には欠席した。

報告の目次は以下の通りである。

1. Introduction

2. Environmental Data

3. Fidelity of Environmental Measurements

4. Ocean Currents (deep water)

5. Description of Sea States

6. Design Environmental Conditions

7. Conclusions and Recommendations

Dr. Dogliani (伊)の司会の下、委員長のProf. Tedeschiから報告内容全般についての説明があった。波スペクトルの表示において、従来のPeirson-Moscowits型スペクトルの周波数の裾の部分がω-5に比例するスペクトルが広く用いられているが、計測結果は必ずしもそうとは言えず、むしろにω-3.5-4に比例することが報告されていること、日本の東北大の鳥羽教授を始め有力な研究者もスペクトルの裾はω-4に比例することを支持していることより、波スペクトルの表示に再考を促すことが述べられた。6章の設計海象では、船舶および海洋構造物の構造設計のための設計海象の概念が述べられ、最大荷重と海象の関係、シミュレーション技術などの最新の情報が報告された。今回の報告書は海洋環境データの利用者に立った視点で纏めることに留意し、この6章はまさに、構造強度と海洋環境とをつなぐもので、構造強度設計の立場から設計海象の考え方を述べ、従来のI.1の報告書には無かったものと言える。

次に指名討論者の合田教授(横国大)から主として波浪に関する質問が行われた。波スペクトルの周波数の裾の問題、方向波スペクトルの形状、極大波の確率的表現およびCommittee報告全般のまとめ方などについてコメントと質問が行われた。

Prof. TedeschiからCommitteeの回答が行われ、波スペクトルの形状については現時点では全世界をカバーできる適当なスペクトル表現を用意できていないこと、また、スペクトルの裾の部分は問題の指摘に止めたことなどが述べられた。この問題に関しては次期の委員会の大きなテーマとなるであろう。Committeeレポートは環境データのユーザーを十分意識した編集・構成としていることがProf. TedeschiおよびDr. Haverから述べられた。会場から北米の北大西洋海域の氷の統計、異常波などの討論がなされた。なお、次期の委員会委員長にはMr. Olagnon(仏)が選出された。(河邉寛)

Technical Committee I.2 Loads

Loads Committeeの構成は、委員長Prof. C. Guedes Soares (ポルトガル)以下、Ms. F. Bondini (伊)、Dr. D. T. Brown (英)、Mr. A. Cariou (仏)、Mr. A. Engle (米)、Prof. S. Mavrakos (ギリシャ)、Dr. H. Nedergaard (デンマーク)、Dr. F. G. Nielsen (ノルウェー)、Dr. T. E. Schellin (独)、Mr. P. S. G. Tan (オランダ)、黒岩博士(三菱)の11名である。

 

 

 

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