日本財団 図書館


Prof. R. Eatock Taylor (英)の司会の下、委員長のProf. C. Guedes Soaresから本Committeeの検討内容が報告された。報告書の目次は、下記の通りである。

1. Introduction

2. Environmental Loads on Ships

2.1 Computational Methods

2.2 Validation of Computational Methods

2.3 Utilization of Numerical Methods in Design

2.4 Study of Influence of Modeling

3. Environmental Loads on Offshore Structure

3.1 Large Volume Structures

3.2 Small Volume Structures

3.3 Vortex Induced Vibration

4. Hydrodynamic Impact Loads

4.1 Slamming Loads

4.2 Green Water on Deck

4.3 Sloshing Loads

5. Conclusions

文献調査の他に以下の比較検討が実施された。

(1) Comparative Study on Airgap and Runup

セミサブを対象にプラットフォームデッキ下のAirgapと、コラムに沿っての海水のRunupについて、6機関による計算結果の比較検討が実施された。結果はばらつきが多く、今後のさらなる検討が必要と報告されている。

(2) Hydrodynamic Impact Study

二次元の楔型が水面に突入していく際の衝撃圧力について、5機関による計算結果の比較検討が実施された。なおこの比較検討では、実験における水圧センサーの大きさの影響の取扱いなどが明確にされておらず、今後検討が必要であるとのコメントが後日あった。

本Committeeの検討内容の報告に続き、指名討論者のDr. D. Ostergaard (独)の討論があった。大きなフレアを持つ船/双胴船/高速船に対しては従来の二次元ストリップ法ではなく三次元の計算方法を用いる必要があること、この場合には多くのケースの計算を実施することが難しいのでいくつかの設計海象を定めて検討する必要があること、信頼性検討の観点から荷重の推定における不確実性を認識する必要があることが指摘された。また、修正モリソン公式の適用限界を明確にすること、スラミング衝撃圧力に関しては現実的な三次元形状に対して検討を行う必要があることが指摘された。

本Committeeは2003年にも継続される。委員長は二期務めたProf. C. Guedes SoaresからMr. A. Engleに交代、委員も約半数の6名が交代する。(黒岩隆夫)

Technical Committee II.1 Quasi-Static Response

本委員会はDr. Porcari (伊)を委員長として、Mr. Atkinson (英)、Dr. Bae (韓)、Mr. Beach (米)、Prof Daley (カナダ)、Dr. Jazukiewicz (ポーランド)、Mr. McVee (英)、Prof. Nie (中)、Dr. Paetzold (独)、Mr. Wu (台)および豊福氏(NKK)の11名で構成されている。長崎での本会議には、Prof. DaleyとDr. Jazukiewiczを除く9名が参加した。

報告の項目は以下の通りである。

1. Introduction

2. Strength Assessment Approaches

3. Calculation Procedures

4. Ship Structures

5. Finite Element Comparative Study of Ship Structural Detail

6. Conclusions and Recommendations

本会議では、Prof. Lee (韓)の司会の下、委員長のDr. Porcariより上記項目に従って概要の報告がなされた。

今回、船体構造の応答を評価するための手法について焦点の一つがあてられた。これについて、直接強度計算による強度評価の手法として様々なアプローチがあるが、それぞれ得失があるためいずれも共通の手法として認められるに至っていない。その主な課題の一つは荷重の取り扱いにあるで、TC1.2とも協力してこの方面での更なる研究が必要であるとの報告がなされた。

有限要素法解析のための構造モデル化や解析精度、誤差要因についても焦点があてられ、幅広いレビューがなされた。今後も引き続きこの方面の検討を行い、解析のためのガイドライン等としてまとめていくことが必要であるとの指摘がなされた。前回に引き続きホットスポット応力評価のための有限要素法による比較計算と模型応力計測結果との比較がなされたが、なお参照点のとり方や溶接形状の影響、三次元効果等について明確になっておらず、統一的な手法が示されるには至っていないとの報告がなされた。

委員長報告に引き続き、Dr. Valsgaard (ノルウェー)によって指名討論が行われた。報告書で荷重の算定と適用に関し焦点をあてたことについて賛意を表し、さらに船種に応じてその就航海域を考慮した汎用的な波浪頻度表を整備されること等の要望が示された。また、エリカ号の事故などに関連して、腐食やメンテナンスの程度が船体強度に及ぼす影響についての重要性が指摘された。ホットスポット応力の考え方は現状では誰もが同じような答えが得られるようなレベルまで達していないが疲労評価のためには重要なので更なる検討が期待されるなどの討論がなされた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION