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表3 第15回国際船舶海洋構造会議 (ISSC 2003) 委員会構成および日本委員一覧

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また、V.3は研究成果がかなり集積していることと、柔軟船首構造等の衝突・座礁を考慮した設計が導入される兆しが見えることから取り上げられた。艦艇に関しての委員会設立を支持する理事もいたが、これは次回以降に持ち越された。複合材料に関してもその必要性は認められたが、高速船に関する委員会で取り扱うことにした。

Special Task Committeeとして疲労荷重と疲労強度評価に関する2つが選定された。疲労荷重の委員会の委員長は船研の渡辺厳博士が選ばれた。Special Task Committeeでは委員長が目的達成のため自ら委員を選ぶことが出来る。

この16の新委員会における委員の選考は、本会議中の理事会での最大議題であり、その論議は毎晩深夜まで続けられるため、昼間の会議や行事と合わせて理事にとってはかなり過酷な一週間となる。今までは、事前の委員候補者の情報が行き渡らないために、その周知に時間がかかることと各国の利害もその場で初めて表に出てくるために激しい議論になり会議が非常に長くかかることが通常であった。今回は新方式を取り、各国の委員会ごとの全推薦候補者リストを事前に提出してもらい、現技術委員長が有能であると評価する候補者名とともに前もって全理事が把握できるように準備をした。また、この情報を基に会議前に各国は新たな推薦候補者案を出すことができた。このような事前の努力により非常に短い時間で最終案が決定された。それでも夜の10時までは会議が続いたが。

委員決定時の重要な情報の一つは、各委員に対する委員長の評価である。ISSC 2000において貢献がはっきりわかる新しい評価表が導入された。理事全員がその結果を見ながら委員選考作業をすることになった。現委員会で貢献が少ないと評価された場合には、次期委員に選ばれることは難しい。最良の評価を得るためには、最終報告書において少なくとも一つの章を責任持って書き上げる必要がある。日本人を合めアジア人は英語の問題があり、その貢献が文献調査や節の一部の記述に止まり、また全体をある論理に従って展開する長い記述が不得手で評価が余り高くない場合がある。これは常に自分の考えを長い論文形式で書くことが訓練される欧米の教育と異なる、知識量を偏重する教育の欠点が現れていると考えられる。評価が主に個人の能力による欧米に対して、時として肩書きが重要となるアジアにおいては組織間でのバランスも考慮したその国の理事の提案を尊重せざるを得ないことになる。これは評価表の利用等により、個人の能力をより重視する方向に改善されつつある。

新理事会体制

今期限りで退任した理事が以下のように5名もいる。

Prof. T. Borzecki, Poland

 

 

 

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