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新老人の会が発足しました

 

去る9月30日、聖路加看護大学講堂で、『新老人の会発足講演会』が開催されました。当日は400席の会場が満員となり、3階にも100席のモニター席を設け、ご参加いただきました。それでもお断りした方が多数おられ、申し訳ない思いの一方、あまりの反響の多さにあらためて新老人の秘めたるパワーを感じさせられました。

 

あえて新老人と命名

日野原先生は『新老人』命名についてこう話されています。

「私は、高齢者という言葉には異議を唱えています。高齢というのは年齢を基準に老いを規定することです。しかし、老いは人によって異なりますから、年齢は基準にはならないというのが私の持論です。日本では“老”という漢字を使うと、あまりイメージがよくないようですが、中国では非常に大切なことばとして用います。禅寺にまいりますと、年若い僧侶でも老師ということばでいわれます。禅の道においては、その人が非常に優れていることを師の前に老という語をつけて尊敬をあらわします。私はこの経験を積んだ、造詣の深いという意味をもつ“老”ということばこそが人が齢を重ねていく理想の姿だと思います。私はそういう意味で、あえてこの会を『新老人(New Elder Citizens)』と命名し、会を推進していこうと思います。」

 

会の目的

1] 本会は、過去のよき文化や習慣を家庭や社会に伝達し、次の世代をより健やかに育成する役割を担う。

2] 本会は、20世紀の負の遺産である戦争体験を語り継ぎ、貧しさの中から得た貴重な体験を次の世代に伝える。

3] 本会は、自らの健康情報(身体と精神及び習慣)をリサーチボランティアとして提供し、医学・医療の発展に寄与する。

4] 本会は、健やかな第三の人生を感謝して生きる人々が、新しい自己実現を求めて交流し、心豊かに晩年を過ごすことを支援する。

5] 本会は、過度に発展した文明に歯止めをかけ、与えられた自然の恩恵の中に生きる喜びを体現し、高い教養を身につけ、よき生活習慣の普及を図る。

 

現在予定している活動内容

1] ニュースレター(定期的)、会員証の発行。

2] 全国的な講演会、会員による音楽会、種々のアートの発表会、スポーツ行事などの開催。

3] 老化、その他の健康科学に関する疫学的研究のため、会員の健康情報を経年的に本会の趣旨に賛同する研究団体に提供する。

4] その他、本会の目的達成に必要な事業。

 

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会場は熱気につつまれて

 

 

 

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