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表2 せん妄の診断基準(DSM III-R)

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夜間せん妄でいえば、昼間は比較的まともだが、夜になると家族や自宅にいることがわからなくなる。そして、次の日はまたそれがわかる。痴呆があってもその痴呆のレベルには戻るということです。

4]の階層性というのは、夜間せん妄の場合には、昼間は自分でトイレに行くし、着替えもする、お風呂にも入るし、家族のこともわかるのに、夜になると失禁はする、衣類はビリビリに裂く、家族もわからなくなり、不安が強く落ち着かないというように精神機能が高次から低次まで一挙に崩壊する。それに対して、痴呆では、去年はトイレまでちゃんと行っていたのに、今年は行けない。しかし、お風呂はまだ自分で入れる、家族のことはまだわかるが、別に住んでいる孫のことはわからないというように、障害の現れ方が段階的で、精神機能が一挙に全層性に障害されるということがない。

 

 

 

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