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図4 POS: Problem Oriented System

 

この手順を踏むことは、いくつかの点で、医療者として無意識に身につけてきた価値観とは異なる価値観(パラダイムシフト)を受容する必要がある。

第1に、一人自分だけの経験に基づいた臨床判断は、必ずしも多くの場面で適切なものとは限らず、世界中で集積された情報を把握した上で、眼前の患者の個別性を考えることを基本原則とすることである。その結果、医療に関わる情報は客観的かつ公開されるべきものとなる。これは、従来の医療者の自由裁量権を侵すようにとられることもある。

第2は、疑問点解決の拠り所となるデータが、真実を反映している可能性の大きさにより順位づけされることを受け入れる必要がある。医療の不確実性への理解、したがって確率統計学や疫学の理解が必要となる」

図4をご覧下さい。私はこの表を15年前からお見せしているのですが、先ごろこの図にEBM(Evidence-Based Medicine)の一項を真ん中に付け加えました。いままでの知識と技術と経験とでものごとは正しく判断できるのではなく、どうしてもここにEBMのチェックポイントをいれていくことが必要なのです。

 

 

 

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