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その活動は、まちづくりや景観、観光・産業・花いっぱい市民運動(ボランティア)などハード・ソフトを含み、市民主導のまちづくり活動が、試行錯誤を重ねながら進められている。

2] 欧州の小都市に見るまちづくりのヒント

戦後日本の効率主義や拡大指向は、我々の生活を物質的に豊かにした反面、日本の精神・伝統・文化を衰退させ、まちの個性が失われた。このような反省に立ちこれからのまちづくりを考えると、それぞれの地域が自らの生活文化に誇りを持ちアイデンティティを確立することがグローバル社会の構成員としても重要なのでないか。

欧州には、グローバル化を受容しつつも個性的な文化と自立した地域経済をもって、いきいきと輝いている小都市が多い。そのまちの歴史や生活文化がごく自然にまちづくりにつながっている。そのような街が人々の暮らしに真の豊かさを与えているように見える。そのような欧州の地方都市に典型的に見られる「小さくとも魅力あふれるまちづくり」を、暮らしと一体化したまちづくりという視点でとらえ、市民同士の草の根レベルでの交流を続ける中で、その考え方や手法を学び、黒部まちづくりのビジョンに昇華させたい。

3] 市民が主役の国際交流へ

海外に2つの姉妹都市を持つ黒部市の国際交流は、行政及び企業による外交的交流や経済交流を中心に進められてきたが、今後はさらに市民が主役の草の根交流に発展させ、市民一人ひとりがグローバル社会の構成員としての資質を身につけることに役立てたい。

しかし、本来「交流」は双方向のものであり、お互いに有益であることが望ましいし、そうでなくては長続きしない。日本の文化や地域の伝統はそれなりにユニークさも持っている。外国から吸収し、学ぶだけでなく自らの文化に誇りと自信を持ち、積極的にPRすることによって真の意味での交流が実現し、今まで以上の関係を築くことができるようになるものと考えられる。今回の草の根国際交流事業を市民参加の国際交流に発展させるきっかけとしたい。

 

C. 事業の実施

前項記述の趣旨(ねらい)を実現するために、市民が自由に参加し議論できるタウンミーティングを行うこととし、その名称を「小さくとも魅力あふれるまちづくり 国際タウンミーティング」とした。

 

 

 

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