日本財団 図書館


10. 安全停止システム

 

本船の観測システムには、不慮の漏水や停電などに対して、観測システム内に組み込んだ安全システムが自動的に観測を終了させる機能を有する。停電と漏水に関する安全停止システムについては、異常事態が復旧した後、電源や、通水が開始されたときに、安全を期するため、便乗観測者の操作によってのみ復旧するようになっている。

 

10-1) 気液平衡器浸水センサー

 

124-1.jpg

 

気液平衡器前面に取り付けてある容器内にフロート型センサーが設置してある。例えば、気液平衡器内が陰圧になった場合、分析器(NDIR)へサンプル空気を導入するテフロンチューブ内に海水が吸引される。この際、容器内に浸入した海水によりフロート型センサーが持ち上げられると、自動的に海水モードの循環ポンプが停止し、大気開放ドレンバルブを開くコマンドがパソコンより送られ、気液平衡器内の海水水位が下げられる。また、CO2計パソコンで取込んでいるデータには「*マーク」が付き、正常な状態時と区別されるが、シーケンスは停止しない。また、海水ストップバルブは作動しない。センサーが復帰した場合は、次のシーケンスから正常に作動する。

 

10-2) 排水タンク漏水センサー

 

124-2.jpg

 

各装置を経た海水は排水タンク内に集められ、直ちに船側排水ラインに強制的に排出される。この強制排水には、船側排水ラインとの排水量の差から生じる陰圧を利用すると同時に、排水用ポンプにより船側排水ラインまで海水を送っている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION