日本財団 図書館


別紙(4)-1

 

第192号

ISSN 0912-3164

Fune to Kisho

(1)

 

船と気象

第192号

2000.2

財団法人日本気象協会 船舶部会

東京都豊島区東池袋3-1-1

サンシャイン60

電話 東京(03)5958-8165

FAX (03)5958-8113

 

台風の大きさ・強さ及び熱帯低気圧の分類の表現変更について

気象庁 予報部 予報課 太平洋台風センター上野達雄

 

(はじめに)

気象庁は、船舶の安全航行の支援及び沿岸域における災害の防止・軽減を図るため、海上の気象の予報・警報等を適時適切に発表しています。気象庁が発表する台風情報等はSafetyNET台風速報、国際及び日本語ナブテックス放送を通じ広く伝達されていますが、これらの情報の中で、気象庁では、北西太平洋の熱帯海上で発生する熱帯低気圧(Tropical Cyclone)のうち域内の最大風速が風力階級8(34ノット)以上のものを「台風」、それに満たないものを「弱い熱帯低気圧」(Tropical Depression)と定義して使用してきました。SafetyNET台風速報、国際ナブテックス放送の中では、風力8以上のものをさらに、Tropical Storm,Severe Tropical Storm,及びTyphoonと分類しています。

 

(熱帯低気圧の分類の名前の変更)

昨年の熱帯低気圧は、比較的高緯度で発生し、十分に発達しないうちに日本に接近するものが多く、8月には「弱い熱帯低気圧」が相次いで日本に上陸しました。これらの「弱い熱帯低気圧」によって、大雨の被害がもたらされたことを契機に、防災上の観点からこの「弱い」という表現を見直し、気象庁が発表する情報の中では、「弱い熱帯低気圧」をこれからは単に「熱帯低気圧」と表現することにしました。このため、日本語ナブテックス放送の中では、これまでの「弱い熱帯低気圧」が「熱帯低気圧」に変更されることになります。これは平成12年6月から実施します。ただし、台風の分類方法や英文の表記には変更はありませんので、SafetyNET台風速報や国際ナブテックス放送では何ら変更はありません。

この「熱帯低気圧」は、気象学では広く「台風」も含む総称名としても用いられます(Tropical Cycloneの日本語訳)が、今後、各種の台風情報の中で、「熱帯低気圧」とあったときにはこれはTropical Depressionのことだとご理解下さい。参考のために、新旧の対応表を表1として掲載します。

 

もくじ

台風の大きさ・強さ及び熱帯低気圧の分類の表現変更について 上野達雄…1

定期コンテナ船による二酸化炭素観測 小川完…3

ビデオ「船舶による気象観測」の完成・配布について…7

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION