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図5.3-3 大気中と海水中の二酸化炭素の濃度差の経度分布

 

その結果、本観測で航行した海域においては、冬季に大気中と海水中の二酸化炭素の濃度差(海水−大気)の値が最も小さく、夏季には最も大きくなっており、季節によって変化することが示されたものの、全9航海の平均では東経140度〜西経145度までの広い範囲で、その濃度差は-20〜-30ppmvの負の値であり、この海域が二酸化炭素の吸収域になっていることを示した。逆に西経145〜120度までの範囲では、その濃度差はわずかに正の値となり、海洋中の二酸化炭素濃度が大気中のそれより高いことが示された。

以上のことから本観測海域では、海洋が大気中の二酸化炭素の吸収源となっていると考えられる。

 

5.4 観測結果のまとめ

 

以下に本観測の結果をまとめた。

1) 本観測システムで取得した観測データは、海洋観測船などのデータと比較して遜色のないものあった。

2) 大気中の二酸化炭素濃度は、春季に最も高く夏季に最も低くなる傾向がみられ、季節的な変化をとらえることができた。

3) 大気中と海水中の二酸化炭素の濃度差(海水−大気)は、冬季に最も小さく、夏季に最も大きくなり、季節的な変化をとらえることができた。

 

 

 

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