塩分は東経140度から西経170度にかけては、34.7前後で一様な値を示した。西経165〜135度の海域では35.0〜35.5の高い値を示した。その後西経120度にかけて東進するにしたがい、33.8まで減少する傾向を示した。
大気中の二酸化炭素濃度は航海を通してほぼ一定で、その平均値は370.9±0.8ppmvであった。
海水中の二酸化炭素濃度は西経120度まで東進するにしたがい、320ppmvから376ppmvまで緩やかに上昇した。その上昇率は、東進するほど大きくなっている。全体的な経度分布は085E航と、ほぼ同様の傾向を示した。
4.1.6 087E航(平成12年4月)の観測結果
087E航は、平成12年4月に観測を実施した。結果を図4.1-6に示す。航路は東経160度・北緯40度付近まで北上し、北緯40度線沿いに西経160度まで東進した後、西経120度にかけて緩やかに南下した。
水温は、出港直後20℃前後であったものが、東経175度付近で約7℃まで低下し、その後西経120度(約18℃)まで緩やかに上昇した。
塩分は、東経140度付近で34.7程度あったものが、西経140度付近まで緩やかに低下し、33.3まで減少した。
大気中の二酸化炭素濃度は航海を通してほぼ一定で、その平均値は376.1±0.8ppmvであった。
海水中の二酸化炭素濃度は東経160度から東経170度にかけて368ppmv程度まで上昇したが、その濃度は局所的に20ppmv以上の変動を示した。東経170度以東では、西経150度まで緩やかに320ppmvまで下降し、それ以東西経120度までは上昇した。大気中の二酸化炭素濃度と海水中の二酸化炭素濃度との比較から、西経120度付近が海洋は大気への二酸化炭素放出域であった外は当該海域で吸収域であった。
4.1.7 088E航(平成12年6月)の観測結果
088E航は、平成12年6月に観測を実施した。結果を図4.1-7に示す。航路はほぼ087E航と同じであり、東経160度・北緯40度付近まで北上し、北緯40度線沿いに西経160度まで東進した後、西経120度にかけて緩やかに南下した。
水温の傾向も087E航とよく似ており、出港直後25℃前後であったものが、180度付近で約11℃まで低下し、その後西経120度(約18℃)まで緩やかに上昇していった。
塩分は、東経140度付近で34.5程度あったものが、西経145度付近まで緩やかに低下していき、33.0まで減少した。
大気中の二酸化炭素濃度は航海を通してほぼ一定で、その平均値は371.5±1.0ppmvであった。
