(2) 異常時通報システム【 概算10万円 】
安全停止システムの動作状況をアラーム式にし、船橋でモニターできるようにすることで、瞬時にシステムの異常を認識できるようにする。
(3) 自動海水配分システム【 概算100万円 】
給水元管での流量変化に対応して、自動的に観測装置に配分する海水流量を調整するシステムを構築する。この各装置へ導入する海水流量は数値データとして観測データと同期保存され、また陸上からのアクセスでも確認できるようにする。
(4) 陸上からのリモート監視システム【 概算700万円 】
乗組員の作業負担を更に軽減するために陸上からのリモートコントロール機能を付加する。インマルサットMなど比較的小型で有用な衛星通信手段を使用して、陸上にいる観測技術者が、船に搭載した観測装置等の現状を適時把握できるようにする。陸上から観測システムの起動停止、予備観測システムへの切り替え等のコマンドを送ることができるように整備する。
(5) 観測システム操作マニュアルの整備【 概算300万円 】
観測項目に関する専門知識を持たない乗組員が、本観測システムについて、保守点検作業を円滑、かつ安全に執り行えるよう、マニュアルを整備する必要がある。マニュアルは日本語版だけではなく、外国人乗組員にも理解できるよう英語版の作成、また、対話式でトラブルシューティングができるようなCD-ROM形式のマニュアルを作成する。
2.5.3 改善観測システムにおいて、乗組員により可能な作業
改善後の観測システム運用時において、乗組員が担う作業は、以下の通りであり、航行中の観測システムに関しては、ほぼ無人で作動していることになり、船側には基本的に点検以外の労務は発生しない。
1) 沿岸域離脱時の観測開始操作および投錨前の観測終了操作
2) 観測システム動作状況の点検および陸上観測担当者への定時連絡
3) 漏水などの発生時、原因箇所や自動停止動作状況の確認、陸上への連絡船が日本(または外地)に寄港した場合に行う、装置類の整備点検や消耗品の交換、各種装置類の検定、器材の荷役などは、陸上観測担当者が行うこととなる。