日本財団 図書館


3) 漏水など不慮の事態が発生し観測が停止した場合でも、現場に行かない限りその事態を把握できない。

4) 陸上にいる観測技術者との諸連絡が、現行では船側の通信(衛星通信電話など)を使用する必要がある。

5) 本観測システムの停電に対する自動復旧システムは、現行では3分以内の停電はサポートできるが、それ以上の停電は乗組員がエアコンユニットルームに移動する必要がある。

6) 本船給水管レベルでの給水量低下による観測用海水流量低下が起こった場合、手動で各観測装置に分岐している流量を調整する作業が発生する。

 

このように現行観測システムでは、乗組員が観測システムを運用するにあたって、労務負担が発生する。これら労務負担を軽減し、乗組員が管理可能な観測システム構築の必要条件として、次のようなことが考えられる。

 

●観測システムの起動、停止、保守、点検作業の簡略化。

●観測システムの現状監視システムの構築(設置場所以外でもモニターできるようにする)。

●陸上にいる観測技術者側との連絡体制および陸上から観測システムへのアクセス方法の整備。

●トラブル発生時のアラーム機能強化と自動制御の確立。

●バッテリー利用による停電対策の強化。

●観測システム操作の完全マニュアル化(日英表記)。

 

2.5.2 具体的な改善方策

前項で挙げた乗組員による観測システムの運用に関する各課題に対しての具体的な改善方策として、次の付加機能がある。【 】内はコストを示す。ただし、艤装の費用は含まない。

(1) 船内ネットワークシステム(観測監視システム)【 概算200万円 】

イーサーネットなど有線による船内主要個所のネットワークを構築し、その一環として観測システムの情報を各端末で表示できるように整備する。これにより船橋や無線室に居ながらにして、観測室に設置してある観測システム動作状況が把握できる。またモニターに表示される観測システム動作状況の情報は、乗組員にわかりやすい表示にする。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION