(2) 塩分測定のデータ処理
観測中、1日に2回の割合で水温塩分測定装置の出口にて塩分検定用試料を採水し、下船後分析を行い、本観測システムの塩分データの補正を実施した。下船後分析においては、IAPSO(International Association for the Physical Sciences of the Ocean 国際海洋物理科学協会)標準海水を基準として、持ち帰った塩分試料の電気伝導度を塩分計(Guildline社製Autosal Model 8400B型)で測定し、これにより水温塩分測定装置で得られた伝導度を補正して、塩分を算出した。
(3) 表面水温の測定結果と船内水温変化の補正
海洋表面(海水取水口)から二酸化炭素測定装置までの配管経路による船内水温変化は、平均値で0.3℃以内であった。この海水温度測定の結果をさらに詳細に検討し、次の式を用いて船内水温変化の補正を実施した。
pCO2(t)=pCO2(t+Δt)-Δt{4.4×10-2pCO2(t+Δt)-4.6×10-6pCO2(t+Δt)2}
Gordon and Jones(1973)
各記号の意味を以下に示す。
pCO2(t);海洋表面(海水取水口)の二酸化炭素濃度(補正後の値)
pCO2(t+Δt);測定器設置場所の水温における二酸化炭素濃度
Δt;船内水温変化