3)年間を通して海上を航行している一般商船は、観測エリア、観測期間の限られた観測船と比べて、ほぼ1年中データを取得できる。
1.2 事業の内容
1.2.1 観測システムの構築
一般商船に搭載可能であり、洋上大気中および海水中の二酸化炭素濃度、海表面における水温、塩分などの測定装置を一括管理し、自動制御による観測、各観測装置の運用状況、観測結果などの監視を一元的に行うことができる観測システムを構築した。
本観測システムは、以下のような測定装置により構成される。
1)二酸化炭素測定装置
2)水温塩分測定装置
3)船底水温測定装置
4)船位測定装置(GPS:Global Positioning System)
1.2.2 観測の実施と解析
本観測システムにおける観測項目は、以下の通りである。
1)二酸化炭素濃度(海水中および大気中)測定
2)取水口(シーチェスト)水温測定
3)表面海水(ポンプアップした海水)の水温、塩分測定
4)現場表面海水(航行中にバケツ採水をした現場海水)の水温測定
5)塩分の測定精度確認のために、試料採水の実施(陸上に持ち帰り分析)
6)船位の測定
7)気象観測(航行時に船側が観測した船舶気象報データの提供を受けた)
観測結果は、交通エコロジー・モビリティ財団が世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)の温室効果ガス世界資料センター(WDCGG:World Data Center for Greenhouse Gases)を通じて国内外の利用者へ提供するとともに、データセットとして同財団内に蓄積される。観測開始から3航海分のデータについては、平成12年6月にWDCGGへ提出済みである。さらに、未提出のデータについては平成13年6月に提出する予定である。