1.2.3 観測システム搭載船舶の選定
(1) 観測システム搭載船舶の選定理由
観測システム搭載船舶の選定については、社団法人日本海難防止協会を通じて依頼を行った結果、大阪商船三井船舶株式会社(現:株式会社商船三井)、エム・オー・シップマネージメント株式会社の協力により、日本〜パナマ間を航行するコンテナ船「ありげーたーりばてい」とした。搭載船舶の選定に関する検討項目および、その結果は以下の通りであった。
1) 観測システムの設置環境
→観測用海水の供給と船内に観測システムの設置スペースが確保できる。
2) 便乗観測者の居住環境
→ 便乗観測者1名分の居室が確保できる。
3) 航海の頻度および航路
→年間を通じて観測対象海域を定期的に航行し、かつ日本国内に定期的に寄港しているため、観測システムの調整および、観測器材の補充、採取試料の陸揚などの機会が確保できる。
(2) 観測システム搭載船舶の概要
平成11年1月に各測定装置をコンテナ船「ありげーたーりばてい」に搭載し、観測を開始した。
「ありげーたーりばてい」の概略
船 主 :株式会社 商船三井
船舶管理会社:エム・オー・シップマネージメント株式会社
船の種類 :コンテナ船
竣工年 :1986年
総トン数 :42,121 GT
長さ :246m
幅 :32m
乾舷 :10m(乾舷とは水面からアッパーデッキの距離を言う。)
契水 :11m(契水とは水面から船底までの距離を言う。)
航 路 :香港〜日本〜北米東岸(パナマ運河経由)
航海の周期 :約2ヶ月に1回の航海(年間6回)。東京からマンザニーロ(パナマ)までは約16日間。マンザニーロ(Manzanillo)はパナマ・クリストバルの港で日本出港後の最初の寄港地である。