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図-4.11に示す第一主成分と第二主成分の散布図では、右部に位置する試料(St.11表層)は、大気及び降下ばいじんの影響が強いと考えられる。各調査地点の5層及び6層の試料は、大気及び降下ばいじんと比較してOCDDの組成比が大きいため、左下部に位置している。上部に位置する試料(St.1-3層、St.3-4層)はCNPの影響を強く受けていると考えられる。左中部に位置する試料(St.2-4層、St.2-2層等)は、OCDDの組成比が大きいため第一主成分が小さくなっているが、各層の堆積年代からPCPの影響があると推測される。

年代測定の結果から、図-4.11に示すように1950年以降の試料については、概ね中央部に位置している。右中央部に位置する湾口部(St.4,5,8,9,10)の試料は、湾奥部(St.1,2,3,6,7)の試料と比較して、大気及び降下ばいじんの影響が大きく、PCP及びCNPの影響が小さいと考えられる。左中央部に位置する湾奥部(St.1,2,3,6,7)の試料は、湾口部(St.4,5,8,9,10)の試料と比較して、大気及び降下ばいじんの影響が小さく、PCP及びCNPの影響が大きいと考えられる。

主成分分析の結果をまとめると、表-4.9に示すとおりである。水平分布及び鉛直分布において濃度が高くなっていた湾奥部の試料については、PCPやCNPの影響を強く受けているものと推測される。一方、湾奥部と比較して濃度が低くなっていた湾口部の試料は、湾奥部と比較するとPCP及びCNPの影響は小さく、大気及び降下ばいじんの影響が強くなっているものと推測される。

 

表-4.9 主成分分析結果のまとめ

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注. 表中の図の位置は図-4.11に示すとおりである。

 

 

 

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