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1982年以降は毒性等量及び実測濃度とも減少し、1990年代はほぼ横ばいで推移している。St.BではPCDDs+PCDFs及びCo-PCBsとも1960年頃より毒性等量及び実測濃度とも増加しはじめ、1981年がピークとなっている。1981年以降は毒性等量及び実測濃度とも減少し、1990年代はほぼ横ばいで推移している。ダイオキシン類濃度はSt.Aで1982年、St.Bで1981年がピークとなっている。本調査結果と環境庁の調査結果について、堆積年代ごとの水平分布を図-4.6に示す。本調査結果は環境庁の調査結果と比較して、ダイオキシン類濃度がピークとなる年代が古く、1950年以前も濃度が高い傾向がみられた。ピークとなる年代は異なるものの、St.1〜3については、環境庁の調査結果と同様の傾向がみられた。すなわち、東京湾湾奥部では1960年代〜1980年代前半にダイオキシン類濃度が急激に増加し、その後減少して、1990年代はほぼ横ばいで推移しているといえる。

年代別の同族体ごとの割合の推移は、毒性等量で見た場合、St.1ではPCDDs(特にH7CDDs)の占める割合が1933年及び1950年と比較して1966年及び1980年で大きくなり、1993年及び1999年ではやや小さくなっている。St.4では、1905年から1971年にかけてPCDFsの占める割合が大きくなり、1971年以降ではほぼ一定となっている。その他の同族体やSt.2、St.3及びSt.5の同族体の組成比では大きな変化はみられない。環境庁の調査結果では、1950年以前についてはPCDFsが80%以上をPCDFsが占めていたが、本調査結果では40〜60%程度であり、St.4では約30%程度(1905年)であった。

一方、実測濃度で見た場合、TCDDsの占める割合がSt.1では1980年、St.2では1965年、St.3では1962年に急激に大きくなり、その後、St.1及びSt.3では減少し、St.2では横ばいとなる傾向がみられた。また、St.4ではPCDFsが1949年、Co-PCBsが1927年から大きくなり、1971年以降横ばいとなる傾向がみられた。その他の同族体やSt.5の同族体の組成比では大きな変化はみられない。環境庁の調査結果では、TCDDsの占める割合が1980年代中頃以降増加し、その後ほぼ横ばい又は減少する傾向がみられ、本調査結果とは年代が異なるが、同様の傾向がみられた。また、St.AではCo-PCBsが1905年より増加しはじめ1950年頃ピークとなり、その後ほぼ横ばいとなり、本調査のSt.4と同様の傾向がみられた。

 

 

 

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