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4.3.2 柱状泥におけるダイオキシン類(ダイオキシン類鉛直分布)

柱状泥における年代別ダイオキシン類測定結果は図-4.4に示すとおりである。なお、「平成10年度 ダイオキシン類コアサンプリング調査」(環境庁)が定量下限未満のものを0(ゼロ)として算出する毒性等量を公表しているので、本調査結果についても同様に算出した毒性等量を用いた。また、表層泥採取地点であるSt.6〜St.11の測定結果についても、あわせて図-4.4に示す。環境庁の調査結果を図-4.5に示す。

ダイオキシン類は、全試料で1.4〜110pg-TEQ/g-dryの範囲であった。St.1〜St.3については1層(0〜2cm)から3層(18〜20cm)または4層(28〜30cm)にかけて深くなるほどダイオキシン類が増加し、4層から6層(48〜50cm)にかけて減少する傾向がみられた。St.4及びSt.5では、1層から6層にかけて深くなるほどダイオキシン類が減少する傾向がみられた。

環境庁調査結果におけるダイオキシン類は、全試料で1.3〜130pg-TEQ/g-dryの範囲であり、表層から14-16cm及び18-20cm(ともに1981年頃)にかけて深くなるほどダイオキシン類が増加し、それ以深は深くなるほど減少する傾向がみられた。本調査結果は、環境庁調査結果と同程度の濃度範囲を示し、同様の鉛直分布を示していると考えられる。

年代別ダイオキシン類の鉛直分布については、St.1ではPCDDs+PCDFs及びCo-PCBsとも1950年以降毒性等量及び実測濃度とも急激に増加し、1980年がピークとなっている。1980年以降は毒性等量及び実測濃度とも減少する傾向がみられた。St.2ではPCDDs+PCDFs及びCo-PCBsとも1948年以降毒性等量及び実測濃度とも急激に増加し、1965年がピークとなっている。1965年以降は毒性等量及び実測濃度とも減少する傾向がみられた。St.3ではPCDDs+PCDFs及びCo-PCBsとも1948年から毒性等量及び実測濃度とも増加し、1962年がピークとなっている。1962年以降は毒性等量及び実測濃度とも減少する傾向がみられた。St.4ではPCDDs+PCDFs及びCo-PCBsとも1905年から、毒性等量及び実測濃度ともゆるやかに増加する傾向がみられた。St.5ではPCDDs+PCDFsは1929年から毒性等量及び実測濃度ともゆるやかに増加し、Co-PCBsはほぼ横ばいで推移していた。

環境庁による調査結果については、St.AではPCDDs+PCDFs及びCo-PCBsとも1960年代頃より毒性等量及び実測濃度とも増加しはじめ、1982年がピークとなっている。

 

 

 

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