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4.3 ダイオキシン類分析結果

 

4.3.1 表層泥におけるダイオキシン類(ダイオキシン類水平分布)

表層泥のダイオキシン類分析結果を表-4.7及び図-4.2に示す。

毒性等量はPCDDs+PCDFsが3.1〜49pg-TEQ/g-dryであり、Co-PCBsが0.18〜3.6pg-TEQ/g-dryであり、ダイオキシン類では3.2〜52pg-TEQ/g-dryであった。東京湾におけるダイオキシン類の水平分布の傾向としては、湾奥部は湾口部と比較してダイオキシン類が多くなっていた。

本調査結果と既往調査結果の水平分布を図-4.3に示す。既往調査結果から、東京湾においてダイオキシン類が1.4〜59pg-TEQ/g-dryの範囲で分布しており、湾口部と比較して湾奥部(特に湾奥中央部)でダイオキシン類が多くなる傾向がみられた。本調査結果は、既往調査結果と同程度の濃度範囲を示し、同様の水平分布を示していると考えられる。

また、本調査結果と平成11年度に環境庁が実施した「平成11年度 公共用水域等のダイオキシン類調査」の既往調査結果を比較すると、全国の海域(底質)においてダイオキシン類が0.067〜48pg-TEQ/g-dryの範囲で分布しており、本調査結果は、この既往調査結果と同程度の濃度範囲を示していた。

採泥方法の違いによる、底質中に含まれるダイオキシン類の分析結果について検討するために、St.6においてコアサンプラーによる採泥とあわせて、エクマン・バージ型採泥器による採泥を実施した。調査結果は、表-4.7に示すように、コアサンプラーと比較すると、エクマンバージ型採泥器で採泥した試料においてダイオキシン類が多くなっていた。採泥器の違いにより、ダイオキシン類の濃度に違いが生じた原因としては、試料を採泥する深さが影響していると考えられる。すなわち、コアサンプラーによる採泥では0〜2cm層の試料となるのに対し、エクマン・バージ型採泥器による採泥では、0〜15cm程度の泥を攪拌して均一化させた試料となる。St.6の近傍のSt.1及びSt.3のダイオキシン類の鉛直分布(図-4.4参照)によると、0〜2cm層と比較すると8〜10cm層及び18〜20cm層にダイオキシン類が多く含まれていることから、エクマン・バージ型採泥器はダイオキシン類を多く含んでいる層を採泥するため、コアサンプラーで採泥した試料と比較して、ダイオキシン類が多くなると考えられる。

 

 

 

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