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第1章 調査概要

 

1. 調査の背景と目的

現代の経済活動においては、大量に排出されている廃棄物の収集からリサイクルまでの静脈物流の一貫したシステムの構築が必要と考えられるが、この廃棄物輸送においては、広域的な処理の必要性、時間的制約が比較的緩いという特徴などがあり、CO2削減等の環境負荷低減の観点を考慮すると、大量輸送機関である鉄道、海運等を効果的に活用することが有効である。

折しも、平成13年4月から「家電リサイクル法」の施行を控え、再資源化の主体である家電製造業者等では、海上輸送システムの情報が十分でなく、トラックを主体とした陸上輸送システムの構築を進めている。

そこで、海上輸送を用いた静脈物流システムの問題点の事前抽出と改良を行い、実証実験を通じ海上輸送における問題点をクリアーにし、家電製造業者等に対し、海上輸送を用いた物流システムが陸上輸送のみのシステムに比べて環境負荷、利便性などの優位性があることを実証する。

なお、本調査では、家電リサイクル法施行に合わせ平成11年度に、海上輸送システムのシミュレーション検討等を実施してきたエコマテリアル海上輸送研究会(EMMT) (事務局:財団法人新産業創造研究機構)の既存データを活用するとともに、実証実験にあたっては同研究会の協力を得て実施することとする。

 

2. 調査計画

(1) 調査項目

調査項目は以下のとおりである。

 

・関連法規の整理

・海運等大量輸送機関による静脈物流の取組事例の整理

・海上コンテナ利用システムの基本設計の策定(指定引取場所→リサイクル工場)

・実証実験計画の策定

・実証実験の実施

・実験結果の分析、評価(販売店→リサイクル工場)

 

(2) 調査内容

1] 関連法規の整理

エコマテリアル海上輸送研究会(以下EMMT)資料等の既存資料により廃棄物及び家電リサイクル品を輸送する場合の鉄道、海運の関連法規及び制約条件を把握、整理した。

 

 

 

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